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俺の四畳半が最近安らげない件
交換留学生の体質
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ないぞ俺は!!」
「このくそ寒いのにクーラーでお部屋冷やして閉じこもるのは我慢じゃないのかねーあほかねー」
「うるさいわ!!お前もここから出るの禁止だからな」
「えー…コタツ出していい?」
「よくコタツなんて知ってたな!!」
もうフシャラスはやりたいようにさせることにして、戸締りを万全にした上でクーラーを入れた。フシャラスじゃないが…このクソ寒いのに狭い四畳半を冷気が満たした。



「寒いねー、もうやめたらー」
コタツに首まで埋まったフシャラスが、少し首を上げて俺の方を見た。
「これ迷惑よ。ほんと迷惑」
「駄目だ、まだカプカプカが凝固してない!!」
コタツに足の先を突っ込んで、毛布でぐるぐるに体を巻いているのだが、一向に温まらない。とうとうコタツの中なのに震えが止まらなくなってきた。冷蔵庫の中にでも居るようだ。これで俺が凍死でもしたら親が『なんで!?どうして!?』と泣くだろうな。この怪死事件は無意味にミステリーとして親戚間で語り継がれることだろう。…あ、鼻水出てきた。
フシャラスがふと、首を傾げた。
「カプカプカを、凝固させたい?」
「当たり前だ、俺が何の為にこんな無意味なことしてると思っているんだ」
「……んとねー、カプカプカの凝固点、知ってるー?」
「凝固点…??」
凝固点…とは液体が固体になる温度だな。水はたしか0℃。カプカプカは…あれ、知らないわ。
「カプカプカの凝固点はねー、12℃なのよー」
「…え?」
頭上の温度計を見上げる。クーラーでガンガンに冷やされた室内は、とっくに5℃を切っていた。
「ちなみに沸点はぐっと高くてー、256℃。余程のことがない限り、蒸発なんてしないわよー」
「知ってんなら何で先に云わないの!?なんで俺と一緒になってクーラーにあたってんのお前!?」
「聞かれなかったんだものーあほねー」
「やかましい!!」
腹立ち紛れに俺は乱暴にクーラーを切った。…ああ、寒すぎて換気したい。
「蒸発したんじゃないなら、一体何処へ…」
とりあえずこの案件は『交換留学生失踪事件』として星間外交省に届け出なくては。どんな責めを負わされるのだろう…と考えると、胃がキリキリしてくる。そして胃が膨らんでくる。…い、痛い。吐き気もしてきた。な、なんかこれ変だぞ、何かが胃壁を攻め立てているような激しい痛みが……!!
「どしたのー、あほすぎてお腹痛くなっちゃったのー」
「うるせぇよ!!」
あまりの激痛にうずくまる俺を、一応心配そうにフシャラスが覗き込んできたが…。
「……んん?」
フシャラスが、訝し気に俺の顔を覗き込んできた。
「ちょい、口あけてみ」
「ふざけてる場合じゃねぇんだよ!いっててて…救急車っ救急車呼んでっ…!!」
「口あけて」
「なに云って…うっふおっ!!!」
食道の壁に
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