暁 〜小説投稿サイト〜
詩集「月影」
切ない月に風は添い

[2]次話



語ることのない川面
時と共に流れゆくだけ…
まるでトルソーのような街並み
肌寒い雨空に霞む…

僕を見下すような
この冷ややかな街の中に
居場所なんてありはしない…

切ない月に風は添い
見えぬ淋しさ身に沁みる
もし生まれ変われたら
今度は傍にありたいと…


終わりはほんの一瞬
それは何の前触れもなく…
いつかはと…覚悟してたのに
こんなにも胸が苦しい…

何も変わりはしない
世界は在るだけの幻影…
儚く散りし蜃気楼…

切ない月に風は添い
消えゆく想い胸に抱く
不意に落ちた涙は
どこまでも水面を揺らし…

切ない月に風は添い
癒えぬ哀しみ身に沁みる
もし生まれ変われたら
今度は共に在りたいと…




[2]次話


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