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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第四十話 休暇の終焉
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では殺し合いが始まるだろう、
帰れたなら二度と軍隊なんか入りたくない。
こんな地獄へ送り出した、政治家と軍上層部に怒りを覚える。
早く妻と娘の元へ帰りたい。



■自由惑星同盟ネプテイス捕虜収容所  2月5日 アルフレート・ミュールマイスター

 パトロール中のアルレスハイム星系で叛徒の奇襲を受け、
乗艦は大破し艦長副長も戦死し生き残りの最先任だった俺は、
玉砕を主張する部下達を抑えながら、

たった一人になってしまう12歳の愛娘を思い出しながら此処で死ぬわけにはいかないと、
卑怯者になっても生きながらえたいと、俺が全責任を取ると部下達に話して降伏した。
それ以来3年此処で娘の事と一緒に巻き込んだ部下達の事を思いながら過ごしてきた。

1月20日に皇帝陛下より救恤品が送られて来たのは驚きであった。
娘の作る物よりは劣るが、ザワークラウトの旨かった事、
古里と娘を思い出しながら、その日は涙に咽せたものだ。

2月5日本日収容所所長から此処の収容所全員が国へ帰る事になると発表された。
その瞬間、不安と期待の入り交じった気持ちと成った。
娘の元へ帰れる、部下を家族の元に返す事が出来る。

しかし俺が責任者だ、国に帰れば反逆者として処罰されるだろう、
俺だけなら良い娘も巻き込んでしまう、
巻き込むのが嫌だから戦死した様に見せたのだから。

しかし話を聞いていくうちに、皇帝陛下はお怒りではない、
帰還しても反逆者としては罰しないとお言葉が有ったそうだ。
本当だろうか、それならば娘の元へ帰れる。

皆次第に興奮し喜びを見せながら涙を流しながら咽せている。
帰れる、帰れる、帰れる。


■タナトス星系惑星エコニア捕虜収容所    クリストフ・フォン・ケーフェンヒラー

 昨日皇帝陛下から儂等に救恤品が送られて来た。
なにやら皇帝陛下も企んでいるのか判らんが、
此処の収容所全員を帝国へ帰すらしい、

儂はミヒャーゼン、ジークマイスター、アッシュビーの繋がりを追い続けてきたが、
此処で一端終了かもしれんな、
余り帰りたくはないが、所長のコステアは特に儂を帰したいらしい、
まあ奴は色々しているようだからな。


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