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天使の歌声
第1話

[2]次話
できそこないの天使がひとりいました。
天界では、たくさんの天使たちがいて、それぞれに仕事をもっています。例えば、悪魔と戦って人々に勇気や希望を与える天使や、愛や喜びを与える天使や、子どもを保護する天使。
それぞれ天使たちは得意な分野で、人間界の人々をサポートしています。

できそこないの天使の名前はルルです。彼女は何をやっても中途半端でした。
他の天使たちは、見るに見かねて、彼女の仕事だった植物の世話や小動物の世話など、みんな取り上げてしまいました。
ルルは、彼女なりに一生懸命やってきましたが、他の天使たちは、話も聞かず相手にしませんでした。

ルルは、悲しみの中、他の天使たちも知らない地上の森の奥で遊んでいました。森の言葉は気持ちが良くて、ルルを優しく包んでくれました。

神様は、そんなルルの存在に気付き、声をかけました。

「ルルや、人間のお手伝いをしてみないかい?」

ルルはびっくりして、言いました。

「私はいつも植物や小鳥たちとばかり遊んできたので、人間のことはよくわからないのです。それに人間たちを導く素晴らしい天使たちがたくさんいます。私はこうして森の中で過ごしている方が…」

全部、言い終える前にどこかから歌声が響いてきました。美しいソプラノの澄んだ声で、森の中がざわざわと揺れました。
ルルは声の主を瞬時に見つけました。背の高い美しい少年でした。ルルは一目見て、彼の一生涯を見守ろうと誓いました。
神様は、その心の言葉を受け、
「最期まで、見届けなさい。」とルルに言いました。

ルルは、うなずき天界から離れることを決意しました。


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