暁 〜小説投稿サイト〜
貰った特典、死亡フラグ
自分の流儀を貫いて
12話:主人公(ヒロイン)は遅れてやってくる
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 (やばい、本当にやばい。どのくらいやばいかと言うと…………考え付かない程やばい!)

 今の俺はまさに、四面楚歌や袋のネズミ状態である。周りは敵だらけ。逃げられるような余裕も無い。しかし、余裕がなくても、どうにかしなければならない。

(くそっ、何かねぇのか!?)

 余裕を作り出す方法なら、あるにはあるのだが、それも今の状況ではあまり意味を成さないだろう。不意をつくというのが大切なのだ。それに、特務六課の方も、俺が大人しく捕まると思っていないのか、油断も隙もなく構えている。

 俺としては、周りに被害なんて出したくないし、死人も極力出したくない。いや、殺す気など毛頭無い。だが、あまりに切羽詰まった時は……。

「ダレン・フォスター。大人しく、投降しなさい!」

 俺に投降を呼び掛ける、ティアナ・ランスター執務官。正直言って、今ここにいる六課メンバーが彼女だけで――もしかしたら、見えない所にいるのかもしれないが――良かった。高町なのは一等空尉とかフェイト・T・ハラオウン執務官とか、そこら辺のもはや最強クラスの人が来ていたら、俺なんて何も出来ずに捕まっていたに違いない。いや、この人でもそうなるかも……。

(とにかく、この状況を打破出来るもの……おっ!)

 周囲を見回し、俺が見つけ出したもの、それはマンホール。マンホールと言えば、下水道。すなわち……、マンホールから下に落ちれば、下水道通って逃げれんじゃね? よくあるドラマみたいに。

(ふっふっふ。甘いな、特務六課とその他大勢の皆さん!)

 俺はマンホールに向かって歩き出す。局員達の方は、俺が何をしているのか理解できないのだろう。だが、理解できないからこその警戒。俺の一挙動に気を配っていた。俺が一歩踏み出すごとに高まっていく緊張感。俺の鼓動も段々と高まっていく。そしてついに……俺はマンホールの上に立った!

「ところでさぁ……ティアナ・ランスター執務官さんはさ、主人公が脱獄する系の映画見たことないかな?」

「何……?」

 俺の聞いている意味がわからないようだ。そりゃそうだ、俺だって自分が何を言っているのかよくわからない。たぶん、テンションがおかしい。

「スプーンで壁に穴開けて脱出したり、牢屋の戸の鍵を隠し持った、糸ノコで切ったり、色々さ」

「止まりなさい! 何をする気!?」

 喋りながらも動く俺に、制止の声。ティアナ・ランスター執務官には訳がわからないだろうが、俺は話を続ける。それはまさに、試合後のヒーローインタビューの様に熱を持っていた。

「何ってそりゃぁ……これだよ! リアクト、モード“近接鎧装(ストライクファイター)”ァ!」

「なっ!?」

 俺がこの3か月間で編み出した技の一つ、“|瞬間形成《ショートリ
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ