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DOREAM BASEBALL 〜ラブライブ〜
覚醒
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い球を投げるわけがないと振りに出る。

パシッ

手元で確かにボールは落ちた。だがそれは彼女の想定よりも小さくあえなく空振り三振に倒れる。

「こ・・・高速スプリットまで覚えたというの・・・?」

ストレートとほぼ同じ速度からスプリットよりも小さく手元で沈むボール。これもかつて孔明が使用した球種であり、彼女も習得を試みたが投げることができなかった。

「ツバサ、大丈夫か?」
「えぇ、すぐに準備するわ」

打席から動かない彼女に守備のためにやってきた英玲奈が声をかけると、彼女はグラブを持ってきてくれた仲間にヘルメットとバッティング手袋を渡すとマウンドへと向かう。

「花陽、ナイピッチ」
「はい!!ありがとうございます!!」

初回を上々の立ち上がりを見せた花陽に声をかける。それから選手たちにグラウンドに目を向けるように指示する。

「関東では打てなかったが、お前たちは十分に経験を積んできた。自信持っていけよ」

以前は1本のヒットを放つことすらできなかった。だが今は違う。彼女よりもはるかに速いスピードボールを投げる徳川と対戦できたことで、彼女たちは大きな自信を得た。

『1回の裏、音ノ木坂学院の攻撃は、1番、キャッチャー高坂さん』

彼女が最初に打席に立つのにはみんな慣れた。打席に入り足場を作るその姿も様になっている。

『後攻音ノ木坂学院は先頭の高坂が打席に入ります。かつて甲子園を制した天才捕手天王寺。彼と全く同じ役割を指名された彼女は今大会いまだ無失点の好投手綺羅からチャンスをもぎ取ることはできるのか!?』

テレビ放送がされているためそれを見ながら球場でも試合を見ている雪穂と亜里沙。雪穂は打席に立つ姉を見て心配そうな顔をしている。

「打てるかな?お姉ちゃん」
「無理だな」

彼女の心配に即答したのは2人の隣に座っている青年。彼のその言葉に驚いた2人は彼の顔を見上げる。

「なんでそう言い切れるんですか?孔明さん」

2人の隣に座っているのは剛の同級生だった孔明。彼は亜里沙からの問いに平然と答える。

「ツバサは今日の調子は相当いいはず。そうじゃなければ3番を志願するなんてありえない」

孔明は彼女が志願した3番打者だと気付いていた。彼女から自分に憧れていることを聞いていたから、合わせてきたのだとすぐに想像できた。

「さて、どこまで球速が伸びてるかな?」

















『さぁ女子野球界最高と呼ばれる好投手綺羅ツバサ。ワインドアップから・・・おぉっと?』

これまでランナーがいなかった時は振りかぶって投球をしていたツバサ。しかし今の彼女は違う。ランナーがいる時と同じようなセットポジションから足を上げ足を踏
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