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大洗女子 第64回全国大会に出場せず
第13話 聖グロリアーナの選択
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の走行音がするのに気がついた。
 道路の脇で話してるんだろうか?

「ねえ、お姉ちゃん。
 どこから電話かけてるの?」
『大洗から南にちょっとさがった筑波山のフルーツライン』

 フルーツラインはパープルラインとならんで、筑波山系の有名な峠道だ。
 でもなんでまほが、と思ったみほだったが、黒森峰の卒業式はとっくに終わっていることを思い出す。あとは4月の入学式までにドイツに戻っていればいいだけだ。

「じゃあU号Fで名だたる峠を走りまわっているのね?」
『ああ、お察しだろ。タイヤは結局すべっているわけだし、履帯みたいに路面に貼りついているわけではないのが気持ち悪くてな』

 U号F型はいわずと知れたドイツの間に合わせ軽戦車だが、この姉妹にとっては幼少時から三輪車やチャリの代わりに乗っていたという「愛車」である。
 黒森峰はV号の代わりの偵察車としてL型ルクス(山猫)を導入したが、自家用F型はそれ以前にエンジンをルクスと同じものに換え、ステアリングをソミュアS35中戦車のコントロールドディファレンシャルに変更しているため、公道でも普通に交通の流れに乗って走るぶんには邪魔者扱いされない程度の機動性がある。
 その上、まほの趣味でピストン、コンロッド、クランクシャフト、バルブなどを不具合が出ない程度に削り、お決まりのポート研磨とキャブの交換もした。シリンダーとヘッドを平滑に削るついでにガスケットを薄くし、イグニッションコイルとプラグは現代物だ。 振動はひどくなったが立ち上がり加速がよいので、ときどき峠道や林道で遊んでいる。
 この非力な戦車が団体戦部門に出場することはなく、戦車のバイアスロンである「タンクパトロール」競技に出ることがあるくらいだが、この競技が強いのは継続と知波単だ。
 プラウダはBT戦車を廃棄したころにはやめている。

 そんなこんなでU号Fは、今日までまほの足になっていた。
 もしかしたらドイツにも持って行くかも知れない。本国はあちらであるし。

「お姉ちゃん、競技弾は持ってきた?」
『弾倉3個、60発だな。榴弾はない』
「じゃあ、頼みがあるんだけど。いいかな」

 U号F型の武装は20mm対空機関砲を切り詰めたkwk30機関砲とMG34機銃だ。
 戦える相手は、せいぜい自分と同じ紙装甲戦車どまりだ。
 
 
 
 
 

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