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バースディ
第三章

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「お互いに」
「ううん、気にならない?」
「何をしてくれるかって」
「楽しみにしてろって言われて以後音沙汰なしって」
「そういうのって」
「気にはなりますが」
 しかしとだ、沙織は友人達に微笑んで話した。
「そうしたことを言うことは」
「まあ沙織ちゃんはしないわよね」
「そうしたことを聞く娘じゃないから」
「だからね」
「はい、どうもです」
 実際にというのだ。
「出来ないので」
「だからよね」
「じゃあお誕生日までね」
「待つのね」
「そうするのね」
「そうしています」 
 友人達にも礼儀正しい、それがやり取りにも出ていた。元々の地がそうした娘ということだ。
「ですから」
「お誕生日になれば」
「その時にわかる」
「そういうことなのね」
「そう思って楽しみにしています」
 そうだというのだ、だが友人達はというと。
 その彼女にだ、笑顔で言った。
「私達も贈りものするからね」
「楽しみにしておいてね」
「沙織ちゃんにはいつも助けてもらってるし」
「待っててね」
「そうさせて頂きます」
 沙織は友人達に笑顔で応えた、そしてその誕生日にだった。
 友人達は沙織に贈りものをした、それは何かというと。
「時計よ」
「凝った古風のね」
「皆でお金出し合って買ったの」
「よかったら使ってね」
「有り難うございます」
 沙織はリボンと包装紙に包まれた時計が入っている箱を受け取って友人達に笑顔で応えた。
「大切に使わせて頂きます」
「そうしてね」
「私達もそうしてくれたら嬉しいから」
「宜しくね」
「それでだけれど」
 友人の一人がここで沙織に尋ねた。
「塩谷さんはどうなの?」
「毎日会ってるんでしょ?」
「それでもなの」
「何も言われないの」
「はい」 
 その通りだとだ、沙織は答えた。
「今日もお会いしましたが」
「そうなのね」
「何もなのね」
「聞いていないのね」
「そうなのね」
「特に」
 返答は変わらなかった。
「聞いていないです」
「けれど何もしない人じゃないわよね」
「塩谷さんしっかりしてるし」
「それじゃあね」
「贈りものはなのね」
「はい、絶対にです」
 浩輔がどういった人間か沙織もわかっている、それで友人達に対しても笑顔ではっきりと答えることが出来た。
「浩輔さんは」
「そうよね、じゃあね」
「果たしてこれからどうなるか」
「これからのお楽しみね」
「そうなのね」
 友人達もこのことはわかった、そしてだった。
 学校の講義が終わるとだ、携帯が鳴って出るとだった。
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