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ルヴァフォース・エトランゼ 魔術の国の異邦人
出会いの夜
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ドレスの上からでも一目でわかるほど豊満で、それでいて均整のとれたしなやかな肢体をした彼女は、あらゆる場所で驚嘆と羨望、あるいは嫉妬や情欲まじりの視線を受け、歓声をあげられる。
 だがめずらしいことに、今日にかぎって歓声の対象はセリカではなく、べつの人物だった。
 店の奥の壁際。テーブル席でなにやら盛り上がりを見せている。

「今夜はずいぶんとにぎやかじゃないか」
「これはアルフォネアさん。おさわがせしてすみません」
「べつにいいさ、たまにはこういうのも。ここは酒場であって葬儀場じゃないんだから」

 いつもの席につき、お気に入りの赤ワインをたのむ。
 赤い唇をしめらしていると、件のテーブル席のやり取りが聞こえてきた。

「すげえな、これで六回連続だぜ」
「なにか魔術でも使ってるんじゃないよな」
「種も仕掛けもない。言ってるだろう、俺は陰陽師。占い師なんだ」

 どうやら店に入ってくる客が男か女かを言い当てているらしい。

「占い師(フォーチュンテラー)ねぇ」

 セリカがいぶかしげに話題の男を見る。
 東方の修行僧のように剃りあげた頭をした短身痩躯の青年。
 このあたりでは見ない顔で、セリカの記憶にもない。
 テーブルの上には空になったボトルがいくつもころがっているが、ひとりで飲んでいるというより周りの人たちにおごっているようだった。

「ずいぶんと羽振りが良さそうじゃないか、あの男」
「噂のシーホークの英雄ですよ」
「ああ……」

 数日前、フェジテの魔術学院襲撃と時をおなじくして起きた。シーホーク無差別テロ。
 この事件のせいで、時をおなじくして起きたフェジテの魔術学院襲撃事件はすっかり影が薄くなっている。
 外敵の侵入をやすやすとゆるしてしまったことにくわえて、死者まで出してしまった不祥事だ。人々の関心がよそにむいたことに胸をなでおろしている学院関係者も少なくはない。

「ほ〜う、あいつが噂の騎士爵様か」

 卓越した剣技と体術。奇策をもって街を襲ったリビングアーマーとゴーレムを掃討し、悪魔まで退けてシーホークを壊滅の危機から救った秋芳に対して国から金一封と騎士爵を下賜されたのだ。
 
「ロットやハーレイたちが大騒ぎしていたな」

 それだけではない。魔術学院への入学を希望し、適性検査を受けたところ全魔術分野に対して非常に高い数値を出して講師陣を驚嘆させた。もっとも今の時期に編入するのはどうかということと、未知の異能反応も発見されたことで入学を認めるか否か、認めるとしてだれがどのように受け持つのか。ただいま喧々諤々の議論中だ。
 もっともナーブレス公爵家の後押しもあり入学自体はほぼ確定している。その関係ですでに学院に自由に出入りできる許可をもらい、図書室や実験室をはじめ学院内
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