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ヘタリア大帝国
34部分:TURN4 長官の娘その一
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TURN4 長官の娘その一

                     TURN4  長官の娘
 韓国がだ。宇垣に尋ねていた。
「ちょっといいんだぜ?」
「何かな、韓国殿」
 宇垣はその韓国に礼儀正しく応える。今丁度だ。彼は外務省の己の執務室にいた。質素でありそこは簡素ですらある。その中でだ。彼は外務省に来た韓国に応えたのである。
「外交のことであろうか」
「違うんだぜ。ちょっと気になることがあるんだぜ」
「それをわしに尋ねにか」
「それで来たんだぜ」
 こう宇垣に言ったのである。
「前に東郷さんが結婚していたという話は」
「むっ、あのことか」
「そうなんだぜ。それは本当なんだぜ?」
「韓国殿は御存知なかったのか?」
「初耳なんだぜ」
 実際にそうだとだ。韓国は宇垣に答える。
「あの人結婚していたなんて信じられないんだぜ」
「あれだけ遊んでいればだな」
「その通りなんだぜ。昨日も女の子とデートしていたんだぜ」
「華族の中条家のご令嬢とだったな」
「そうなんだぜ。俺程じゃないにしてももてるんだぜ」
 さりげなく自分がもてると断言する韓国だった。
「その東郷さんに奥さんがいたなんてことは」
「ううむ。実はだ」
「実は?」
「あの者の奥方はキリング家のご令嬢だったのだ」
「キリング家!?」
 キリング家と聞いてだ。韓国はその目を見開いた。そのうえでだ。
 かなり慌てながらだ。宇垣に言ったのだった。
「あのガメリカの四大財閥のあの!?」
「左様。軍需産業にも大きな力を持っているな」
「あの家のお嬢さんだったんだぜ!?東郷さんの奥さんは」
「流石に驚かれた様だな」
「驚かない筈がないんだぜ」
 韓国は実際に呆然となりかつ慌てた態度で宇垣に応える。
「まさか。あの旦那あの家の人まで声をかけて」
「士官学校を卒業してすぐだった」
 宇垣はその頃から話していく。
「あの男はガメリカに留学生として派遣されたのだ」
「それでなんだぜ?」
「そうだ。そこでそのご令嬢と知り合いだ」
 そしてだというのだ。
「結婚にまで至ったのだ」
「あのキリング家との」
「当然キリング家側は大反対した」
「一介の士官とは結婚できないっていうんだぜ?」
「そうだ。あの頃の東郷はまだ少尉だった」
 所謂下級士官だ。とても世界的な財閥のご令嬢と釣り合うものではない。そのうえだった。
「ガメリカの者でもないしな」
「それでなんだぜ」
「そうだ。キリング家の方は大反対だった。特にだ」
「特に?」
「奥方付きのメイド。確か黒人だったな」
 ここでだ。宇垣の顔が鋭くなる。
「その女が特にだ」
「反対したんだぜ」
「その通りだ。それで大変な騒ぎになったのだ」
 その騒ぎ、韓国の知らないそれのこと
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