暁 〜小説投稿サイト〜
最強無双の腹ぺこ吸血姫〜ボク♂はもふもふに愛される〜
第一話・冴えない少年は異世界で永久の女王となる
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[9] 最初
しかも、美少女に変身!?

 それで、しばらくボクは双子メイドさんらと喋って情報収集した。

 それによると、どうやらボクは魔界という異世界の住人で、その魔界の一大勢力である王国「ルナ」の王……いわゆる、魔王らしかった。しかも、女魔王である。その上、種族は吸血鬼の真祖。
 年齢は、12〜13歳かと思っていたけど、実は200歳。驚いた。ロリババアって奴じゃん。『化物語』かよ。

 広間に入る。
 ずらっとメイドと執事が並んでいた。全員が一斉にお辞儀する。
 すごい景観だ。しかも、全員美少女&美少年。まじで二次元に出てきそう。ボクはここが異世界であるのを痛感した……。
「さ。お席にどうぞ」
 ロングヘアのメイド……アメリというらしい…が、ボクを座らせる。
 ボクは、これからどんな豪勢な料理がでるのかと、期待して待っていた。
 しかし……。
「な、なぬ!?」
 ボクは突拍子もない声をあげる。
「どうかしましたか?」
不思議がる双子メイドさん。(おかっぱの方)。
 
 なんと、料理は見た目、かなり粗末だった。
 いかにも硬そうなライ麦パンに、真紅のスープ。そして、何かわからないが、肉の塊。それに野菜が少し添えられているだけ。

 ボクは恐る恐る、それを口に運んだ。

 ……まずい。
 一瞬でわかった。まず、美味しい料理には定番の、良い匂いがしない。そして、パンは案の定外見通り硬い。パサパサしている。ガサガサもしている。
 こんな料理、はじめて食べた……。
 そして、よくわからない真紅のスープを飲んだ。まず。トマトかと思ったけど、トマトの味はせず、鉄のような味しかしなかった。
 そして、肉。
 これは、かなりマシな方だったが、かなりマシなだけで、たいしたことない。まず、塩コショウもろくにされていない。しかも、かなり血が滴っている。殆ど生肉か?
 そして、なんかよくわからない見たこともない野菜。これ、やっぱり塩コショウしてない。  
 当然、これもまずい。枝豆に似た食べ物だが、かなり、歯ごたえが悪い。

「うわっ……」
 
 ボクは、吐きそうになった。なんだこれ。ここまで不味く料理されたら、食材に対する侮辱だ。

「だ、大丈夫ですか?」
 メイドのおかっぱの(メアリ)が狼狽える。
「ちょ……この料理は、なに?」
 ボクは悲鳴をあげた。
「なにって……ライ麦パンと、コカトリスの血のスープと、レッドドラゴンのステーキとHP回復薬の添え物ですが……」
 その異世界らしいメニューに、ボクはため息を零す。
 っていうか、血のスープって……。
 あ、そういえばボク、吸血鬼だったな。
 だから生肉だったのか……。
 ボクはげんなりした。
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