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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
キセキ
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いが、夜絵は自分にとって都合の良いように解釈することにした。

 夜絵の体を蝕んでいた病はもう完全に取り除かれ、夜絵は高校入学前の健康的な体を取り戻した結果となった。


「あっこのお菓子……ポッキーだ ねぇねぇ食べていい?」

「いいの? リハビリ中なんでしょ?」

「いいのいいの! せっかく梨子が持ってきてくれたんだから!」


 梨子がお見舞いに持ってきた菓子を、夜絵は手にとって食べ始める。大好きな菓子を頬張るその顔は、満面の笑みを浮かべていた。

 手術が奇跡的に成功し健康な体になったと言っても、手術を施した夜絵の体は憔悴しきっていた。もともと体力がなかった夜絵は、日常生活を支障なく過ごせる体を作り上げるべく、現在リハビリに励んでいる。

 そんな中、自身が持ってきたポッキーを美味しそうに頬張る夜絵を見て、梨子からクスッと笑いが漏れる。


「なによ梨子、そんなにジロジロ見て」

「なんでもないわ、気にしないで」

「そう言われると余計気になっちゃうじゃない」


 どこか釈然とせず難しい顔をしながらも、夜絵はポッキーを食べる手を止めない。まるでペットを見るように自分を優しい表情で見つめ続ける梨子。そんな彼女を見ながらポッキーを食べていると、ひとつの可能性に思い至った。


「……わかった! 梨子もポッキー食べたいんでしょ!」

「どうしてそう思ったのよ……いらないわよ別に」

「どう、正解でしょ!? いいよいいよー、梨子にも半分あげちゃおう」


 嬉しそうに夜絵はそう言って、手に持っていたポッキーの袋を梨子に向けて差し出した。最初は遠慮していたが、ここまでされてしまって仕方がない。梨子は袋からポッキーをひとつ手に取り、口に運ぶ。

 夜絵と一緒にポッキーを食べながら、梨子は夜絵に話しかけた。


「ねぇ夜絵、退院はいつ頃になりそう?」

「この調子だと、あと二週間で退院できるって」

「良かった。みんな夜絵が戻ってくるのを待っているのよ、今度は夜絵と一緒にライブがしたいって」


 梨子が言う「みんな」とはAqoursのメンバーのこと。それは夜絵にも伝わっている。今度は夜絵と一緒にライブがしたい。メンバーの想いを梨子はそのまま夜絵に伝えた。

 それを聞いて夜絵は嬉しそうに笑みを浮かべる――と梨子は思っていた。しかし、夜絵が浮かべた表情は、梨子の予想とは反対の、どこか浮かない表情だった。


「夜絵……?」


 なげ浮かない顔を見せるのか、梨子は夜絵を呼びかける。すると夜絵は、梨子の疑問に答えるように話を始めた。


「……ごめん梨子。せっかくメンバーに入ったけど、私はAqoursを辞める。手術が終わってから決めてたことなの」

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