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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
記憶
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ピアノのことで悩んでいたみたいでね。四月に転校しちゃったのよ。椎名さん、何か聞いてない?」


 梨子が転校した?
 ピアノのことで悩んでいた?

 それから先生から梨子の詳しい話を聞かされて、全身から血の気が引いていくような感覚が襲った。自分の死期が迫っているからではない、先生から梨子の話を聞いたからだ。

 どうしようもない自責の念が押し寄せた。私が梨子のコンクールを観にいかけなかったから、約束を破ったから梨子はピアノで思い悩み、転校してしまったのではないのだろうか。

 思えば、私はまだ梨子に謝れていない。コンクールに行けなかったことを、約束を破ってしまったことを。

 梨子が転校して、私は入院したまま。これじゃあ梨子に謝れないまま、離れ離れになってしまう。


「先生、梨子はどの高校に転校したんですか?」


 聞くと先生はあっさりと梨子の転校先を教えてくれた。静岡にある浦の星女学院高校、聞いたことのない高校だった。

 この時、私は決断した。

 手術を受けず、残り半年の人生を自分の足で歩こうと。梨子のもとまで歩いていき、コンクールに行けなかったことを謝ろうと。

 そして、夏が終わろうとしていた八月の末。私は浦の星女学院に転校した。


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