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ラブライブ!サンシャイン!! Diva of Aqua
遭遇
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院のスクールアイドルグループ――Aqours(アクア)。つい先日に開催されたラブライブ地区予選を終えたばかりであるにもかかわらず、彼女達は毎日のように練習に励んでいた。


 他のメンバーの視線が千歌と梨子に注目する中、千歌は忍び足で徐々に梨子の背中へと近づいていく。ゆっくりと、梨子に気づかれぬよう慎重に足を運んでいき、そして千歌は梨子の背後に立った。

 千歌は梨子に気づいてもらおうと、手をブンブンと大きく振ったり変なポーズをとったりするが、梨子がそれに気づく気配は一向に見えない。依然として右手に持ったスマホを、無言でただジッと見続けている。

 自分の存在に気づかない梨子の反応が面白くないと感じた千歌は、ムスッと頬を膨らませ、背後からするりと梨子の胸元へと両手を回した。そして……。




 むにゅ。


「ひゃあっ!」



 驚きの声を上げた梨子の手から、スマホが滑り落ちる。しかし梨子はそのことに気づかず、唐突に胸を触ってきた人物を確認しようと咄嗟に身体を反転させた。悪戯に成功して満足気な表情を浮かべる千歌を、梨子は顔を赤く染めつつジト目で鋭い視線で睨んだ。


「いきなり何するのよ千歌ちゃん!」

「ごめんごめん、梨子ちゃん全然気づいてくれないから、つい」

「思い付きで胸揉まないでよ! まったくもう……」


 謝りながらも全く悪びれていない様子の千歌を見て、梨子は溜め息をつく。他のメンバー達も千歌と同じような笑みを浮かべていることから、彼女達が黙って千歌の行動を見ていたことに気がつく。梨子はまた一段と肩を落とした。


「あれ? 私のスマホ……」


 そこで梨子はようやく、先ほどまで大事に眺めていたスマホが自身の手から離れていることに気がつく。キョロキョロと慌てて周囲を見渡すが、どこにも見当たらない。


「あ、もしかしてこれ?」

「それ、私のスマホ!」

「ん? 画面に映ってるのって……写真?」

「み、見ちゃダメー!」


 千歌が足元に落ちていたスマホを拾い上げ梨子に見せる。それを一目で自分のものだと認識し、梨子はすぐさま千歌からスマホを返してもらおうと詰め寄る。

 しかし梨子が辿り着く前に千歌が、液晶画面に表示されていたそれを、スマホに視線を落とした際、偶然にも目にしてしまう。

 そこに映るものを見られたと悟った梨子は、千歌からスマホを奪い返そうと手を伸ばす。しかし梨子の手はあえなく千歌に躱されてしまい、未だその画面を見続けられている。


「この子、梨子ちゃんの友達?」


 梨子のスマホに映る写真。そこには梨子と一人の少女が、笑顔で隣り合って写っていた。


「どれどれー?」


 ふと、千歌の背後
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