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国木田花丸と幼馴染
変わるもの、変わらないもの。
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気ある〜』


 周りからそんな声がヒソヒソと聞こえてくる。マルに告白することに夢中で、全く周りが見えていなかった。


「ハルくん」

「はい」


 なぜか怒っているような声色のマル。俺は自然と身構えてしまう。



 ――そして。






「図書館では大声厳禁ずらーーーーッ!!」






「お前も大声出してるじゃねえかーーーーッ!!」







 それから俺たちは図書館を出て、人気のない場所に移動。改めてマルに告白をし、オーケーをもらって俺たちは晴れて恋人同士になったのだ。




***




 恋人になっても、俺たちの間で変わったことといえば少ない。強いて言えばデートを数回したことと、マルが時折甘えるようになってきたことぐらいだろうか。

 それ以外はなにも変わっていない。俺とマルが恋人になる以前と、なにも変わらない日常を俺たちは過ごしていた。


「花丸ちゃん! 榎本くん!」

「ルビィちゃん!」


 俺とマルのもとにやって来たルビィ。俺は彼女の気持ちに応えることができなかったが、それでも今なお俺たちは友達のままだ。なにひとつ変わらない。


「二人とも、卒業おめでとう!」

「ルビィちゃんも、卒業おめでとうずら!」

「ルビィも、卒業おめでとう。あとマル、俺のときに比べて態度が違うくね?」

「ルビィちゃんはハルくんみたいにバカじゃないから。ねぇー!」

「ねぇー!」

「お前ら……」


 俺が合格した高校、浦の星とそんなに偏差値変わらないからな。いい加減俺をバカ呼ばわりするのはやめてほしい。

 まあ、二人の笑顔が見れるのならそれで構わないのだけれど。


「そうだ、二人の写真撮ってあげる! 花丸ちゃん榎本くん、並んで!」

「サンキュー。あとでラインで送ってくれ」

「ライン……?」

「……マルには関係のないことだよ。ほら撮るぞ」


 ラインに疑問符を浮かべるマルを強引に引き寄せ、俺たちは密着する。そうしてルビィに写真を撮ってもらった。


「ありがとうルビィ。次はマルとルビィな、俺が撮ってやるから」

「ルビィちゃんとも写真撮るずら!」

「うん、撮ろう花丸ちゃん! 榎本くん、あとでラインで」

「オッケー」

「ねえ、ラインってなにずら?」

「……撮るぞ。ほらもっとくっつけ。よし、そんなもんかな。はい、チーズ」


 パシャリと写真を撮る。仲良くくっついて笑い合うマルとルビィが写っていた。いい写真だ。


「次はハルくんとルビィちゃんで撮るずら!」

「花丸ちゃん、いいの?」

「もちろんずら!」
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