暁 〜小説投稿サイト〜
国木田花丸と幼馴染
がんばルビィ!
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なって分かることになった。それは、学校生活において自然災害のように発生するもので。台風や地震なんかより、もっとタチの悪いものだった。






「んーっ! 授業終わったずらー!」

「うへぇ……全然わからなくて死にそう」


 放課後。授業が終わったあとの俺とマルの様子は対照的だった。マルが晴れ晴れとした表情を浮かべている一方で、俺はというと授業が全く理解できずに疲れ切っていた。

 授業中のマルは楽しそうに先生の話に耳を傾け、ノートをとっている。それが俺には理解できない。勉強が楽しいなんて、マルみたいに頭の良いやつはみんな言うんだ。


「ハルくんも普段から勉強していれば、ちゃんとわかるようになるずら」

「できる気がしないんですが……」

「できるずら!」


 やればできると言ってマルに励まされるが、逆に惨めになってくるのでやめてほしい。精一杯やった結果がこれなのだから。


「そうだ! ハルくん、このあとマルの部屋で勉強会ずら!」

「えぇー、なんで家でも勉強しなくちゃいけないんだよ。まぁいいけど」

「ずら! じゃあハルくん、早く帰るずら!」

「おう」


 鞄に教科書やらノートやらを詰め込んでいく。すると、視界の端に黒澤の姿が映った。クラスメイトの女子と何やら話している様子で、二人は一言二言交わしたのちに、教室から出ていった。

 その光景に、俺は妙な胸騒ぎを覚えた。


「……悪いマル。先生に呼ばれてたんだった、先に帰っててくれ」

「成績が悪すぎて、とうとう先生からお叱りされるずら?」


 マルよ、なぜそんなに嬉しそうな目をしている。


「まぁ、そんなところ」

「わかったずら。マルは先に帰ってるから、終わったら家に来てね」

「了解。じゃあまたな」

「ハルくん、ファイトずら!」


 グッと拳を握りしめて激励され、マルは教室から去っていった。

 それから数分の時間を教室で潰したあと、俺は教室から出ていくのであった。




***




 話がある。そう言われた私は抵抗する術もなく、クラスメイトの女子の後を付いていくしかできなかった。私なんかと違ってクラスの中心にいる女の子、名前は確かサヤカちゃんだったと思う。

 黙ってサヤカちゃんの後ろを歩いていくと、だんだんと人気(ひとけ)がなくなっていく。そしてたどり着いた場所は、影になってジメジメとした校舎裏だった。

 サヤカちゃんが立ち止まって、私も立ち止まる。サヤカちゃんの話の内容は、大体の想像がついている。ここ数日、彼女は私に対して執拗にそのことを言ってきたからだ。

 サヤカちゃんが私に向き直る。その表情は、どこか怒ってい
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ