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国木田花丸と幼馴染
班分けは辛いよ
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ない。

 ならなぜ、他の班が決まっているのに俺達の班だけ女子が一人足りないのか。そう疑問に思っていると、一人の女の子が俺達のもとへ近づいてきた。


「女子が一人足りないみたいね、私が入ってあげてもいいわよ?」

「委員長!?」


 それは、先ほどまで黒板の前に立ってクラスの指揮を執っていたクラス委員長の女の子。なぜ一人足りないのかと疑問に思っていたのは、俺達が委員長の存在を見落としていたからだった。


「他のグループはもう決まってるみたいだし、委員長に入ってもらうしか無さそうだな」

「ずら」


 口癖と共にマルが首肯する。周りを見ると黒澤も小さく頷いていた。タナケンとメガ島はなぜか顔面蒼白になって委員長を見つめている。


「タナケンとメガ島も、いいわよね?」

「お、おう、もちろん!」

「こ、この三人ってのも懐かしくていいよなぁ!」


 委員長が二人に尋ねると、二人とも豪快に委員長と同じ班になることを望んでくれた。その中でメガ島の言葉に、俺は少し引っかかった。


「委員長と二人って知り合い?」

「ええ、幼馴染なの」

「そうだったのか! めちゃくちゃ意外!」


 普段はあまり接点がない委員長と男二人が、実は幼馴染だと知って俺は今日一番驚いた。幼馴染って俺とマルみたいに大体一緒にいるものだと思っていたのだけれど、委員長のように教室ではあまり接点が無い幼馴染というものもあるみたいだ。

 多種多様な幼馴染の形態に驚かされながらも、これでようやく修学旅行での班が決まったことになる。


「幼馴染が一緒なら委員長も安心だよな。よろしく、委員長」

「そうね、とっても嬉しいわ。よろしくね、榎本くん」


 俺と委員長は固く握手を交わす。こうして、俺が修学旅行で行動を共にする班が決まった。

 決める過程で様々な出来事があった。そのなかで改めて思ったのは、マルは俺が付いていないと心配だということであった。
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