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東京レイヴンズ 異符録 俺の京子がメインヒロイン!
万聖節前夜祭 4
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 東京都内を荒らしまわる百鬼夜行のほとんどが陰陽庁の、倉橋源司のあやつる霊脈に捕われ、火界咒の渦巻く新宿都庁へと強制移動させられたが、運が良いのか器用なのか、それから脱出を果たしたものたちも存在した。
 少数ながらも強運、もしくは実力を持った霊災に対する備えもしなければならない。
 祓魔局局長と修祓司令室室長。祓魔局のツートップが修法にかかりきりとなり、指揮をとることができなくなったため、呪術犯罪捜査部部長である天海大善が一時的な総司令となり指揮をとる。彼は絶対不可侵の領域である皇居に当代随一の結界師、十二神将のひとり。      
 独立祓魔官で結び姫の二つ名を持つ弓削麻里を護りにつかせ、それ以外の場所にも独立祓魔官を割り振り、要所の防衛。霊災の撃退を命じた。





 各国の大使館が軒を連ねる東京の中心部。
 眼光炯々とした青年祓魔官が日本刀を振るい、たった一人で群がる霊災を修祓している。ヴィンテージ物のフライトジャケットに膝の抜けかけたジーンズ、だけど足には雪駄というなんとも奇妙ないでたちだが、その強さは本物だった。

「むかむかドッカン! ごーとぅーへるしたる!」

 カボチャ頭の霊災が手にしたランタンをかざすと、そこから大小無数の火球が祓魔官を目がけて弾け飛ぶ。

「オン・ビロバキシャ・ナギャ・ジハタ・エイ・ソワカ!」

 祓魔官が広目天の真言を唱え、刀身を剣指でなぞると、そこに清冽な水気が宿った。
 西方を守護するとされる四天王の一尊広目天は諸竜王。すなわち水神の首領とされる。
 仏の加護による水気を付与された刀を一閃。火球はすべて消し飛ばされた。

「ヒィホォォォ……」

 そのまま一気に距離をつめ、横薙ぎに振るった刀に両断されたカボチャ頭が悲痛な声をあげ、一瞬のラグの後に消滅する。

「オン・ビロダキャ・ヤキシャ・ジハタ・エイ・ソワカ!」
 続いて増長天の真言を唱えると、水気に満ちていた刀身が一転、火気をまとう。紅蓮の刀で氷の息吹を吐こうとしていた雪だるまのような霊災も斬り伏せ、仔牛ほどの大きさをした漆黒の猛犬の牙を弾き、突き刺す。こちらの二体もラグとともに消え去った。

「オン・ジリタラ・ シュタラ・ララハラバ・タナウ・ソワカ!」

 刀身から暴風が吹き、雷をほとばしらせる。時に火、時に水、時に木――。相手の性質に合わせてもっとも効果的な五気を刀に付与して振るう、陰陽師というよりはまるで魔法戦士といったおもむきの戦いかたをするこの青年祓魔官の名は木暮禅次郎。神通剣の異名を持つ十二神将の一人だ。 
 やがて地上で動くものはいなくなった。小暮は血振りの動作をして残心をしめす。
 生身の生物を斬ったわけでもないのに血振りするのは無意味に思えるが、決められた動作というのは、それ自体
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