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歌集「春雪花」
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 もみじ葉の

  散りてや眺む

   天の川

 わが夢にまで

   橋はかゝらじ



 紅葉が端から散りゆくのを、ただ眺めるだけ…ふと星空を見れば、天の川が…。

 思えば…織女と牽牛は一年に一度は会えると言うのに、私はどうして会うことが出来ないのか…。

 愛される訳もない私には、夢の中でさえ…橋が架かるようなことはないのだ…。



 秋も暮れ

  風なき小夜の

   月影に

 ざわめく心の

    忍ぶ恋かな



 秋も暮れて…冬の寒さが訪れる…。

 しんと静まり返る風もない夜の空に、淡い月影が雲間より洩れ…それを見ていると、なぜか心がざわついて仕方無い…。

 きっと…誰にも言えない恋をしているからだ…。


 この彼への想いゆえ…私の心はささいなことでざわついてしまうのだから…。




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