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星雲特警ヘイデリオン
第9話 さらば涙、ようこそ笑顔
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だ。

 その勢いに、圧倒されながらも。同じ地球人として「幸せになれ」と訴える彼の言葉に、太?の心は徐々に吸い寄せられていた。
 親も師もいなくなった彼にとって、この高官らしからぬ男の存在は、最後の希望なのかも知れない。

「君は今まで、笑えねぇ目に遭ってきたかも知れん。もしかしたら、この先もそうかも知れん。だったら平和な今だけでも笑っておかんと、辛気臭いだけ損じゃろが! ――『さらば涙、ようこそ笑顔』、だ!」
「……!」

 過去との決別。光ある未来。それは、太?にとっては生涯つきまとう難題であった。だが、だからこそ向き合わねばならないのかも知れない。
 前を向いて、生き抜いた上で。いつか、シンシアと逢うために。

(……笑顔、か)

 最期の瞬間に彼女が見せた、あの笑顔。心からの幸せを感じさせる、あの微笑。それを思い起こした太?は、天を仰ぎ――涙を堪えていた。
 笑顔を取り戻すのも、涙と別れるのも。今はまだ、難し過ぎる。

 だが、それでもいつかは。
 ――そう思う心は、すでに彼の中に芽生えていたのだった。

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