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赤き巨星のタイタノア
第3話 神代の巫女
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(救世主……さっきの声も、オレを救世主と呼んでいたな。それに、彼女達が言っている墜落ってのは……やはり、オレが墜ちたことに間違いはないのか。じゃあ、この人達は……?)

 自分の頭の中に入り込んできた「声」。その実態を探るように、威流は女性達に声を掛ける。そんな彼に女性達は、まるで天上の存在に話し掛けられたかのように惚けていた。

「……あなた達が、オレを助けてくれたのか? ここは一体……」
「――! きゅ、救世主様がお声を……!」
「想像よりずっと凛々しい声……! はぁ、まさか生きているうちに救世主様のお声を聴けるだなんて……!」
「……」

 だが、自分を「救世主」と崇める女性達の目を見て、威流は口を噤んでしまった。身に覚えのない称賛を浴びせられているようで、なんとも気味が悪い。
 そんな理解不能な状況に、彼が頭を悩ませていた――その時だった。

『お目覚めになられたのですね。――我が救世主よ』

 あの「声」が直接、脳内に響いてきたのである。先ほどまでのようなまどろみの中とは違い、意識がはっきりとしている今の状態で。

「――!」

 それを認識した瞬間、威流は咄嗟に立ち上がり腰のホルスターに手を伸ばす。赤を基調とする彼のパイロットスーツには、光線銃(レイガン)が備え付けられているのだ。
 ――だが、その得物を引き抜く寸前。彼は居合の構えのように静止し、武器の使用を踏み留めた。

 彼の周囲にいる女性達は全員丸腰であり、言動こそ奇妙であるものの敵対する気配は全く感じられない。そんな民間人同然の彼女達の前で、物騒なモノを持ち出すわけにはいかないと、彼の良心が異議を唱えたのである。
 ――例え常識はずれの異世界にいようと、自分は弱きを助け強きを挫く守備軍の兵士。状況を問わず、そう在らんとする威流自身の意思が、その手を止めたのである。

「さっきからずっとオレを呼んでいた声……! 誰だ!? 一体どこから……!」
「……ルクレイテ様のテレパシーですわ、救世主様。私達はここでずっと、貴方様のお目覚めを待ち侘びておりました」
「テレパシーだって……!?」
「救世主様がお目覚めになり次第、ルクレイテ様の元まで御案内することが我々の務め。――さぁ、こちらへ。身体に、何か不自由はありますか?」
「あ、いや……大丈夫だ、ありがとう」

 ――だが、光線銃までは出さないものの、警戒心を露わにし続けている威流に対して。先頭に踏み出し、彼に声を掛ける1人の女性は、実に落ち着いた物腰であった。
 どうやら彼女達の筆頭格であるらしく、騒ぎ立っている他の女性達とは雰囲気が大きく異なっている。深緑の長髪をポニーテールに纏め、眼鏡をかけた怜悧な容姿を持つ彼女は、威流を案内するように歩み出した。

「し、神官長……も
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