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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―OVERLAP―
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『準備はいいか、遊矢』

「バッチリだ」

 どこかから聞こえてくる三沢の声に相槌を打つと、周りの風景を改めて見渡した。そこには辺り一面に海と天空が広がっており、人工島に設えられた巨大な塔の頂点だった。そこはかつてあったバトルシティの決勝の地であり、どう見ても先までいた三沢の研究室ではない。

『外部からも問題はない。ARデュエルシミュレーターを起動する』

 何故なら俺が見ている光景は現実世界の風景ではなく、新たなデュエルディスクによって生み出された拡張現実――いわゆるAR空間と呼ばれるものだからだ。現実を空想によって拡張することで、あたかも異なる世界に見えるようにする技術は、海馬コーポレーションの新たなデュエルのための一端だった。

「デュエルシミュレーター、か……」

 そうして今回の俺の仕事は、新たなデュエルディスクとAR空間、さらにデュエルシミュレーターのテストである。今までのまさしくコンピュータといったものではなく、拡張現実にしか出来ないデュエルシミュレーターということだが……

『デュエルシミュレーター、起動!』

 外部からシステムの操作とチェックを行う三沢の声に反応するかのように、闘技場の相対する側へと新たな人影が現れていた。それは拡張現実で生み出されたものと分かっていても人間にしか見えず、いや、それ以上に――見覚えがあった。炎を思わせる金色のメッシュが入った黒髪に、学生服をマントのように羽織っていて、今では見られなくなった旧型のデュエルディスクをつけていた。

「さあ……ゲームの時間だ」

 不遜な物言いに比例するような、自信に満ちた揺るがない瞳。その姿を知らないものはデュエリストの中ではいないだろう――何故なら、彼はそのデュエリストたちにとって頂点に立った男なのだから。

「武藤……遊戯……!?」

「どうした? デュエルする前から腰が引けてるようじゃ、ハッキリ言ってオレには勝てないぜ!」

 デュエルキングが当時のままの姿でそこにはあった。拡張現実によって生み出されたものだと頭では分かっていても、その圧倒的な威圧感に尻込みしてしまうこちらの様子に、デュエルキングは嘆息しながらそう語っていて。そうした態度に先のカイバーマンの時も同様のことを言われたと思い返し、俺の身体もピシリと止まると、新型デュエルを剣のように相手へと構えてみせる。

「……誰がだ」

「……OK、相手してやるぜ。お前の持てる全ての戦術でかかってきな!」

 ……そんなこちらの殺気に、デュエルキングも何とか俺を相対する敵だと見なしてくれたらしい。ベルトに備え付けられたホルダーからデッキをセットし、旧型デュエルディスクが変形することでデュエルの準備が完了する。元よりこちらはデュエルするために来たのだと、もう準
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