暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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Invitation;挑戦
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代の赤の王よりも、攻撃力でいえば上かもしれない。

―――とはいえ、少し景気が良すぎるんじゃないか!?

月光をオレンジ色に引き裂きながら飛んでくるミサイル群に、重なっていた両者は否が応にも互いから意識を引き剥がす。これで少なくとも数秒の間、対処に追われるはずだ。

―――ミサイルに信管はない。私はただ両断すればいいが、それが分からない彼奴に同じ対処は取れまい。先刻の大規模心意を出そうとするならば、その僅かな隙に首を取る!

脳裏をアドレナリンのように巡る闘志を反映してか、左右の腕の剣がギラリと剣呑な輝きを放つ。

最悪当たっても、起爆しないミサイルなど打撃ダメージ―――しかも正規のものではないためダメージは低い―――くらいしかならない。レベル9の装甲と体力の前では、一、二発くらいは無視しても構わないくらいの余裕はある。

だが。

迫る子弾に向ける少年の表情に、黒雪姫は違和感を覚えた。対処を焦る、というような素人じみた余地はないと思っていたが、それにしても自分から意識を外しすぎている。

―――舐めて……いや、これは。

まるで、もっと面白い玩具に興味が移った子供のような。

「――――まさかッ!」

慌ててミサイルから切っ先を外し、突き刺すようなスラストを放ったが、その時には既に姿はない。

上空。

たたんッ!たん!と軽やかなステップの音が、月光ステージの夜空に響く。それがどんな意味を為しているのか理解した時、戦慄した。

―――まさか……。いや、まさか、まさかまさかまさか!

空を切るミサイル群。

()()()

「嘘……、だろう」

横薙ぎの豪雨のようなミサイルの弾幕。だがその弾雨の合間を飛び回る人影を視認し、思わず声が上ずった。

《レンホウ》は、飛ぶミサイルの円筒形の外殻――――その側面を足場に弾幕を掻い潜っていた。

―――正気じゃない!!信管が作動したら木端微塵になるんだぞ!!!

まるで信管が抜いてあるのを知っていたような、そんな確信めいた動き。そして、揺るぎないその爪先が向かう先は――――

「くそッ!そちらから潰す気か!!」

スカーレット・レイン。

その巨大な要塞型武装だった。
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