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十月の嵐
第六章
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「寝てね」
「明日の朝になのね」
「お風呂入ろう」
「そうね」 
 私も彼の言葉を受けて言った。
「それじゃあね」
「そうするね」
「ええ」
 私は彼に笑顔で答えた。
「そうさせてもらうわ」
「そういうことでね」
「うん、それにしてもね」
「それにしても?」
「外はまだ凄いみたいだね」 
 彼は不意に窓の方を見た、外からは轟音が聞こえている。
「雨も風も」
「そうね、けれどね」
「けれど?」
「今はどうでもいいわ」
 私は微笑んで彼に答えた。
「別にね」
「いいんだ」
「ええ、いいわ」
 こう答えた。
「本当にね」
「そうなんだ」
「ええ、だってね」
「だって?」
「もうすっきりしたし」
 プールで泳いでだ。
「それでこうしてね」
「飲んで食べて」
「楽しんでるから」
 だからだった。
「もういいわ」
「そうなんだ」
「ええ、今日はこのまま飲んでゲームして」
「それで寝て」
「明日の朝はね」
「お風呂に入るんだね」
「それですっきりするわ」
 そうするとだ、私は彼に言った。
「それでいいわよ」
「うん、じゃあ今日はここでじっくりと楽しもう」
「お料理にワインにゲームに」
「そうしようね」
「ええ、嵐は嫌いだけれど」
 本当に風情がない、折角の秋が台無しだ。
「今はいいわ」
「すっきりしていて気分もいいから」
「だからね」 
 彼にもはっきりと言った。
「どうでもいいわ」
「そうなったのはいいことだね」
「そうね、それじゃあ」
「今夜はゆっくりとね」
「楽しもうか」
「そうしましょう」
 二人で笑顔で話して実際にそうした、確かに嵐は嫌いだけれどすっきりしている今は外のそれは心地よBGMだった。
 そして翌朝起きて窓の外を見るとだった。
 昨日の嵐が嘘みたいに晴れ渡っていた、道は濡れていて落ち葉があちこちに散らばっているけれどそれでもだった。
 天気は快晴で私は一緒に寝ていた彼に言った。
「晴れたわよ」
「あっ、晴れたんだ」
「ええ、見て」
 まだベッドにいる彼にこうも言った。
「快晴よ」
「それじゃあ」
「ええ、お酒は残っているけれど」
 二日酔いの感じだ、正直体調はよくない。
「今からジョギング行く?」
「ジョギング?」
「ええ、行かない?」
 彼に誘いをかけた、まだベッドの中にいる彼に。
「そうしない?」
「朝から走るんだ」
「お風呂朝にって言ってたじゃない」
「そうだったね」
「じゃあお風呂に入る前にね」
「走ってだね」
「汗かいてね」
 そしてとだ、彼に言った。
「お風呂で奇麗になりましょう」
「身体も完全に奇麗になって」
「そうなりましょう」
 こう言ってだ、彼に誘いをかけた。すると
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