暁 〜小説投稿サイト〜
キコ族の少女
第4話「○○が飛び出してきた!」
[5/5]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
も、俺は痛みに耐えてこの子が落ち着くのを待った。

 そして、その行動は数分で収束した。
 俺が危険な存在ではないと分かってくれたのか、暴れるのをやめて俺の目を見つめてきた後、自身の爪で傷ついた俺の胸にある傷を舐め始め、最後には喉を鳴らしながら俺の胸へと顔を押し付けてきた。


「あははっ、くすぐったいって」
「……まったく、何してんだか」


 キツネリスが大人しくなったのを見計らって、ノブナガは近づいてくると俺の頭に手を置き、グシャグシャと撫で上げる。
 でもそれが結構乱暴で、脳が揺さぶられ回復しきっていない体には若干キツイ。


「ちょっやめっ…」
「自分と似た境遇だからって助けてもいいが、ちゃんと面倒見ろよ」
「……うん」


 自分の考えていたことがズバリ言い当てられ、顔が赤くなる。
 親がいないと聞き、無性にこの子を助けたくて仕方なかった。俺の場合はノブナガに拾われ、押し付け的な部分もあるが生きる為の術を教えてもらっている。
 そんな比較的安定した人生を歩んでいる余裕からくる、安い同情と思う人もいるかもしれない。
 でも、だからと言って見捨ててもいいとは思わない。だから、俺は何の迷いも無く助けることを選んだ。

 それと、蛇足だけど。
 性別が変わったせいなのか、この子の表情に母性本能(?)が擽られたのも理由の一つだったり、なかったり……

 ……ん?

 そういえば、この状況って……某アニメ映画に似てるな……くそっ、メー○ェがあれば完璧だったのに!
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ