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激怒
第四章
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「わしも通報しようと思っていたがな」
「はい、丁度録画してましたし」
「それ流してやりましょう」
「そうしてですね」
「潰してやりましょう」
 こうしてだ、理央の突きの一撃で気絶し失禁した教師は完全に破滅し教師の職も失うことになった。しかし。
 この試合の後でだ、理央は一人だった。 
 道場に残り練習用の台を竹刀で関西弁で怒鳴り散らしながら散々に打ち据えた、それは全身で汗をかき肩で息をする様になって動けなくなるまで続いた。そうしてだった。
 怒りを収めた、後日彼女に友人達は聞いた話を尋ねた。
「試合で暴力教師成敗したんだって?」
「突きの一撃で」
「理央ちゃんがその暴力に激怒して」
「やったじゃない」
「理央ちゃん怒るって自分でも言ってたけれどね」
 それでもというのだ。
「恰好いい怒り方じゃない」
「一撃で吹き飛ばして終わりって」
「相手みたいに暴力は振るわない」
「恰好いいわよ」
「いえ、実はね」 
 理央はその試合の後でのことをだ、友人達に苦笑いで話した。その後練習台を散々に打ち据えて怒りを収めたことを。
 そのことを話してだ、友人達に話すのだった。
「こうなっていたから」
「だからなの」
「理央ちゃんは恰好いい怒り方じゃない」
「むしろ逆だっていうのね」
「そうよ、私は本当は怒ったら」
 その時はというのだ。
「もうどれだけ暴れるかわからないのよ」
「そうなのね」
「じゃああの時も必死に抑えてたの」
「それで一撃で終わらせたの」
「けれど実は怒りが収まっていなくて」
「稽古の後でだったの」
「そうしたから。怒ったら本当に手がつけられないのは」
 自分でもと言う理央だった。
「何とかしないとね」
「ううん、そうは見えないけれど」
「理央ちゃん自身が言う通りなの」
「実は怒ったら凄い」
「そうなのね」
「そうなの、どうにかしていかないと」
 自分の怒った時のことはとだ、理央は自制を込めて言った。だから後日教師の暴力に苦しんでいた中学生達から直接お礼を言われてもどうにも返答に窮した。かえって自分のその怒った時をどうするのかを考えていくのだった。手がつけられなくなる自分自身を。
 だがその彼女にだ、主将は話した。
「ああしてもいいからな」
「その時は一撃で終わらせてですか」
「後で一人で怒りを発散させるのもな」
「そうですか」
「話は聞いた」
 道場で一人怒りを発散させたことはというのだ。
「それでいい、しかも君は自分のことではなく悪事に怒った」
「あの教師の」
「そうした怒りはいい、怒りを向ける対象と発散のさせ方はな」
 この二つはというのだ。
「弁えておくことだ、それがな」
「武道家ですね」
「そうだ、だからこれからもな」
「怒りのことはどう
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