暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
394

[8]前話 [2]次話



 忍びても

  なを余りある

   紅に

 染まりて見ゆる

     秋の夕暮れ



 叶わぬ恋を忍び…生きることさえ虚しくなり…それでも生きるために働き…。

 人生とは、斯くも侘しいことと知りつつも…それでも彼への愛を止められず…。

 夕暮れの空を紅が染める…。
 その紅が更に朱く…燃えるように見えるのは…私が未だ諦められずにいるからなのだろう…。



 澄みし空に

  浮きしは明き

   秋の月

 君ぞ恋しく

   ものを憂きける



 澄みきった秋の夜空に、美しい月影が輝く…。

 それが余りに眩しくて…彼も月を眺めてはいないかと想像した…。

 彼と二人で眺めることなど…もうありはしない…。

 だがこの一時…同じ月を見られたら…。


 そう考える自分が馬鹿馬鹿しく思え、そして…虚しく溜め息をついた…。




[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ