暁 〜小説投稿サイト〜
Darkness spirits Online
第6話 受け継がれる覚悟
[2/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なる「攻撃力」によるものと誤認していた。

「フフフ、さぁ……許しを乞うて見なさい。恥も外聞もなく、泣き喚きなさい。私以外には誰も見ていないのです、恥ずかしがることはありませんよ」
「ふざ、けるなァッ!」

 バシネットの仮面に、憤怒の形相を隠して。キッドは渾身の力で鉄拳を放ち、それが顔面を捉えた瞬間――反動を利用して、後ろ回し蹴りを放つ。
 だが、その連撃を浴びてもなお、ディアボロトの牙城は揺るがない。

「いいですねぇ、そのコンボ。どれ、私も一つ……練習して見ましょうか!」
「う……!」
「アー坊ッ!」

 待ち受けるディアボロトの反撃。痛覚5倍の鉄拳を前に、キッドの貌から血の気が失せた――その時。
 割って入ったヴァラクレイザーことトラメデスが、その拳をまともに受けてしまった。グレートヘルムの仮面に、帝王の裁きが下る。

「……かッ!」

 悲鳴すら上がらないほどの激痛。脳を揺さぶるその感覚に、トラメデスは足元をふらつかせた。さらにそこへ、キッドの連撃を真似た回し蹴りが飛び込んで来る。

「先任!」

 だが、その一撃がトラメデスの精神を破壊する――寸前。ヴァラクレイザーの体を抱えたキッドが、全力で地を蹴り回避に成功した。
 2人揃って砂地を転がる一方、回し蹴りが生む風圧は、キャンプ地のテントを次々と薙ぎ倒している。……空振りで終わらなかったら、どれほどの痛みが待っていただろうか。

「先任、奴のベルトを!」
「……あぁ、やっぱそれしかねぇな……!」

 その威力に戦慄を覚えつつ……キッドとトラメデスは同時に立ち上がり、自分達のベルトに手を伸ばす。
 どのボタンを押せばいいかは――分かっている。すでに一度、その過程を見ているのだから。

『Fourth generation!! Ignition fire!!』
『Fifth generation! Ignition shoot!!』

 サブノルクの手に、コントローラのグリップを模した大型ハンドガン「デモンブラスター」が現れる。それと同時に、ヴァラクレイザーの両肩に二門の大砲「グシオンダブルバスター」が出現した。
 ――そして。彼らが擁するその切り札に、全てを焼き払う光が収束されていく。キッドの銃には、白い閃光が。トラメデスの砲門には、四色の灼熱が。

「……そうです、それでいい。あなた方には、死闘の果ての絶望が相応しい」
「黙れ……! これで全て終わりだ!」
「あばよ似非アーティスト!」

 その煌めきを前にしてなお、ディアボロトは仁王立ちを崩さない。

 ――そう。灼熱と閃光の奔流を浴び、ハリケーンの如く吹き荒れる砂嵐に晒されても。彼は最後まで、一歩もそこから動くことはなかった。

 ◇

「……はは。|反
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ