暁 〜小説投稿サイト〜
Darkness spirits Online
第9話 破天荒な姫君
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
 ただ、こちらが向こうを助けても向こうがこちらを助けてくれる、とは信じきれない。

 ネクサリーはともかく、テイガートに仲間意識はあるのだろうか。「DSO」なら文句を言いながらも加勢に来てくれるのだが、もはや彼は自分が知るテイガートではない。
 利用するだけ利用して、窮地に陥った瞬間に見捨てる可能性もある。NPCに背中を預けると言う行為が、この世界において吉と出るか、凶と出るか。
 ――それは、未知の境地であった。

(でも、今はッ……!)

 しかし、凶と出たとしても。Rの背に、引き返せる道はない。たとえこの先が罠だとしても、生き延びるためには罠すらも踏み越えるしかないのだ。
 自分が生きねば、誰一人救えないのだから。

「――おぉおッ!」

 Rは開戦の合図とばかりに燭台を叩き壊し、洞窟の中に駆け込んでいく。迷いはない。全て、叩き伏せるのみ。

「な、なんだこのガキ!」
「イリアルダの回し者かァ! 野郎共、ぶち殺せェッ!」

 見知った顔の山賊達が、槍や斧を持ち出して迎撃してくる。皆、Rや信太達を睨んでいたクラスの男子達だ。

(山賊役までやらされているのか! ――みんな、ごめん!)

 その攻撃の数々を受け流し、次から次へと腹に重い一発をお見舞いしていく。本来なら無惨に斬り裂かれているはずの彼らは、腹を抑えて続々と気絶していった。

 ――山賊達の人相を目の当たりにした瞬間。Rは咄嗟に剣を鞘にしまい、「不殺(ノーキル)」で戦う方向に切り替えたのだ。
 例えNPCの敵という役割であろうと、リアリティ・ペインシステムでクラスメートを苦しめるわけにはいかない。

「はあっ!」

 鞘の先端が、勢いよく振るわれたことで発生する遠心力が、強力な衝撃を生み――山賊のどてっ腹に突き刺さる。

「ぅぐはあッ!」

 Rの一撃に昏倒し、山賊――に扮するクラスメート達は次々と気絶していく。
 単純な力押しだけでは数の暴力に押されるが、身をかわして攻撃をいなせば、隙は必ず生まれるもの。そこさえ突けば、攻略は容易い。

 しかし、テイガートがそうだったように、山賊側も思考能力を高めていたらしい。
 Rの目的が「ユリアヌの救出」と察したのか、これ以上先には進ませまいと体格を活かして、陣地防衛に徹し始めた。

 決して広くはない洞窟の道を、あっという間に山賊達は塞いでしまう。この状況で斧やら槍やら突き付けられたら、迂闊に先に進めなくなる。

(……まずい! クラスメートの皆だろうと、今のテイガート達にとって彼らは全員「山賊」! テイガート達がここに来る前に、なんとか始末をつけないと……!)
「実力は確かなようだな! ご苦労だった!」
「……しまっ……!?」

 ――そこで山賊達の人間防壁に
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ