第五話
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オリエンテーリングが終わり”Z組”に割り当てられた第三学生寮に全員で戻りそれぞれ自己紹介を終えた。カイムの自己紹介の時に一応貴族という事でマキアスが反応したが自身の現状の説明すると顔を若干青くして謝罪してきたので、余り気にしていないとマキアスにフォローしている内に夕食の時間となった。初日ゆえまだ当番など決めていない為どうしようかと全員で悩んでいる中、キッチンの様子を見に行って戻ってきたカイムが口を開いた。
「一応冷蔵庫の中に最低限の食材は入ってたし今日は俺が作ろうか?」
「む?カイムは料理ができるのか?」
「なんだか意外です……。」
「これでもそれなりの腕は持ってるよガイウス。しかし意外とは失礼だなエマさんや。」
「ふん、何がそれなりだ。お前の腕がそれなりなら世の料理人のハードルが一気に上がるだろうが。」
「一応皇族お抱えの料理人の家系だもんね……。」
カイムの謙遜にユーシスとエリオットがコメントを言い、それにガイウスとエマが驚いたがカイムはそこまで気にした様子も無くキッチンに入っていった。暫くすると食欲をそそるいい匂いが漂い始め何人かの腹がなり始める。該当者(誰かとは言わないが)が顔を赤くしたりしている内に料理を完成させたカイムがキッチンから出てきた。
「さっき言ったとおり最低限だからこんなもんだがまあ食ってやってくれ。」
「……最低限?こんなにいい匂いなのにか?」
「ただのトラードのグリルがなんでこんなに美味しそうなんだ……?」
リィンとマキアスの驚きも無理はない。料理自体はただのグリルだが焼き加減や調味料のさじ加減が絶妙であり材料のよさを完全に引き出しているのだ。その為材料は凡庸にも関わらずそれ以上の旨味を出している。
「そう言ってくれるのは嬉しいがさっさと食べよう。腹も減ってるし冷めると味が若干だが悪くなるからな。」
そう言うカイムに全員が賛同し食事に入った。その結果、料理は得意でない、あまりやらないと公言しているフィーとサラ以外の女子が崩れ落ちる事になる。その原因たるカイムは料理が口に合わなかったのかと不安になったがそうではないと言われいよいよ女子が崩れ落ちた理由が分からなくなった。なおこれにより料理当番は基本的にカイムが行う事になったのは全くの余談である。
食事の後、カイムはオリエンテーリングの時の約束通り主に剣を使い尚且つ初対面のリィンとラウラからの質問に答えていた。自身が《八葉一刀流》の使い手であり二の型《疾風》において皆伝を貰い《白銀の剣聖》の称号を頂いた事を中心に話した。実は皆伝間近な型もあったりするのだがとりあえずは皆伝した型のみを説明する事にしたのだ。
「俺が主に使うのは旧校舎で見せ
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