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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
コラボ
〜Cross over〜
Acceleration;加速
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「……メ?膈」

ざらり、と空気の質が変わる。具体的に大気成分に違いはないが、その粘度が明らかに重く、大きくなったのを仮想の肌で感じ取る。

ああ、ああ。なぜ気づかなかったのだろう。

―――驚いていた、だけでは片づけられんぞ。この少年――――コイツは、端から戦う気満々じゃないかッ!!

間近で漂い始める重圧(プレッシャー)

まるで初手から戦闘の剣ヶ峰だと言わんばかりのその迫力は、対峙する黒雪姫とてたじろいでしまうモノを含んでいる。まるでレベル8の中でも相当なハイランカー……いや、それこそ《王》クラスと相対しているような緊張感を否応なく叩きつけてくる。

多少詰めすぎだが、この距離は近接戦特化のブラック・ロータスにとっては決殺の間合い。

だが、それを込みとしても謎の少年には隙のようなものを一切見出すことができなかった。それは攻撃にしても、逃走にしても同じだ。仮にここで黒雪姫が体勢の立て直しを図り、退こうとしたとしても、次の瞬間体力バーが消し飛ぶ未来しか見えてこない。

「――――チッ!」

ならば仕方ない、ことここに至っては対戦あるのみ。

先制攻撃を叩き込んでバランスを崩した後、そこからあらかじめ溜めておいた必殺技ゲージを消費して一気に畳みかけよう。

―――反撃の手を出す暇もないほどの連続ラッシュだ。どれ一つ取っても、部位欠損ダメージは免れんぞ……!

久方ぶりの未知に委縮していた心が、闘争心でほどけ出す。

鋭利なV字マスクの下。黒水晶(モリオン)のような半透過アーマーのの向こうで、ヴァイオレットブルーの両瞳が苛烈な光を放つ。

心の奥底から沸き上がった衝動に身を任せ、黒雪姫は夜闇の空気を切り裂くような、研がれたばかりの刃のような雄たけびを響かせた。

「せぇああああああああああぁぁぁっっっッッ!!!」

戦闘は加速する。

どこまでも。

当人達も知覚できない領域で。
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