暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Myth25-A圧倒的暴力と超絶的暴力〜Adversa Virtute RepellO〜
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成し遂げられるほど甘くはないんだ、エテメンアンキ攻略は。
ただ今は「そうだな。そうならない方法、まだ見つかっていないだけかもしれないしな」とシグナムを安心させたい。それを聞くとシグナムは「はい。約束ですよ」と安心したように微笑みを見せた。それから少しの間、シグナムと寄り添うように縁石に座って思考を巡らせたが、まったく思いつかなかった。

「・・・会議再開の時は、アウストラシアの騎士が迎えに来てくれるそうだが・・・」

「その前に戻りますか?」

「・・・いや。もう少し考えたい。この辺を少し歩いてみようと思うんだ。すまないがシグナム。手間になるがアギト達のところへ行ってくれるか? 迎えの騎士が来て、あの子たちが起きてしまうのも可哀想だ」

「そうですね。判りました。それでは失礼します」

一礼して寝所へ戻るシグナムの背中が見えなくなるまで見送り、散歩を再開する。歩を進めた矢先、「見られているな」どこからともなく視線を感じた事で、周囲に気を巡らせる。ダールグリュン帝じゃないな。この視線にはなんと言うか緊張が含まれている。仕方なく「あまりじろじろ見られるのは嫌なんですけどね」と立ち止まり、私を見ている誰かに語りかける。

「あ、ごめんなさい」

幼い少女の声が背後から聞こえた。振り返ると・・・本来の姿になっているイクスヴェリアが佇んでいた。ヴィンツェンツ王子は・・・まだ隠れて私を見ているな。

(イクスヴェリアを私の元へ寄越した目的はなんだ・・・?)

とりあえずは「どうしたんだい?」目線を合わせるためにしゃがみ込み、そう訊ねる。やはり王としての格を持っているイクスヴェリアはオドオドせず、

「お初にお目にかかります。わたしはガレアの王女フィロメーラと申します」

堂々と正体を偽った。あくまで正体を隠すというのなら付き合うしかないか。

「私はシュトゥラの食客・・と言えばいいのだろうか? まぁシュトゥラに協力させてもらっているオーディン・セインテスト・フォン・シュゼルヴァロードです」

イクスヴェリア・・・フィロメーラが差し伸べた右手を取り、握手に応じる。フィロメーラからの「少しお話がしたいのですが、よろしいでしょうか?」というお誘い。私に向けられているヴィンツェンツの視線には気の所為かもしれないが、応じろ、と含まれているような・・・。元より「はい、構いませんよ」なためそう応じ、先ほどまで座っていた噴水の縁石に座る。フィロメーラも座ろうとし、その前にコートを脱いでシート代わりに敷く。

「あの・・・」

「どうぞ。綺麗な服を汚すわけにはいかないから、よろしければコートの上に腰掛けてください」

「あ・・ありがとうございます。失礼します」

少し戸惑いながらも私のコートの上にちょこんと座ったフィロ
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