暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン81 邪魔の化身とラスト・『D』(邪)
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「……なにこれ」

 僕の目の前には、大量の雑誌がある。どれも表紙にドヤ顔の万丈目……いや、着ぐるみ着用のおじゃ万丈目がどどーんと様々なポーズを決めた状態で写り、大文字で特集タイトルが綴られている。『君の心におジャマします―――大型新人、おじゃ万丈目の素顔に迫る』『デュエリスト対談「おじゃ万丈目」』『おジャマショック到来!?LVモンスター品薄相次ぐ』『ファン必読!おじゃ万丈目、今月おジャマするスケジュール一覧』『怒涛の新連載!「3匹のおジャマ」』『万丈目グループ、株価爆上げ!?超上流へと「おジャマします」』『下着販売メーカーも嬉しい悲鳴!?花柄赤パンツ売上前年度300%増』などなどなど……なんかもう凄いね、うん。
 雑誌の束をいったん脇にどけ、テレビをつけるとちょうどニュース番組がやっていた。

『視聴者の皆さんおはようございます、KCデュエリストニュースの時間がやってまいりました。本日のゲストは今話題の彼、おじゃ万丈目さんです!』

 ……知ってた。この万丈目バブルとでもいうべき現象はあの十代とのデュエルからかれこれ1週間経った今でも衰える兆しすら見えず、それどころか日が経つにつれますます加熱しているような節さえある。もちろん友人として、僕も素直に喜びたいところではあるのだが……どうにも、そんな気分にはなれないでいた。
 もちろん、その原因はわかっている。あの十代とのデュエル、ラストターンの攻防。土壇場で勝負を捨てた万丈目のことを十代は見限ってしまったらしくあれ以来世間の流行にもどこ吹く風、万丈目のまの字も口にしたことはないが、僕はまだそこまで割り切れそうにはない。
 とにかく、もういっぺんでいいから彼に直接会いたい。万丈目は本当に、勝負を投げ出してウケを狙うほどの色物としてやっていくつもりなのだろうか。それならそれで、そんな生き方も彼の人生なんだろう。その覚悟を決めたうえでその道に飛び込んだのなら、僕個人として何か言う権利はない。ただ、それでも最後に本人と会って話をしてみたかった。この話、どうもまだ何か裏がある気がする。
 それとも僕がそう思いたいだけで、単に現実を見れていない事の表れなのか。だとしたら、やっぱりそれは悲しいものだ。

「遊野さーん、宅配が届いてますよー」
「はい?」

 レッド寮のうっすい壁を通じて聞こえてきた声に思考を中断され、ドアを開けて声の主を確かめる。名前は覚えていないけれど、顔なじみのアカデミアの事務員さんだ。その手の中には、ごくシンプルな小包が1つ。

「……僕に?」
「今日の便で朝一に届きましたよ。じゃあ、この紙にサインお願いします」
「はあ、どうも……?」

 僕に荷物なんて、誰だろう。親父……なわけないし、童実野町に友人なんて呼べる生易しい関係の奴はいない。
 今でこそ海馬コ
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