暁 〜小説投稿サイト〜
マイ「艦これ」「みほ3ん」
EX回:第7話(改2)<演習開始>
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
紛れも無い事実だろう。そして不思議な事にこの五月雨に見られるように量産型は同じ型であれば容姿だけじゃない。性格までも似るらしい。

(量産型というのは、一種のクローンなのか?)
本当のところはよく分からない。そもそも艦娘や深海棲艦が現れて、彼らとの長い戦いが継続してながらも、我々人類にとって、まだ分からない事が多すぎるのだ。

 そんなことを思っているうちに私のインカムからも美保の艦娘たちの通話が聞えてきた。
『お姉さま! 大丈夫ですか?』
『Yes……海に出たら、ちょっと楽になったヨ』

これは金剛姉妹か。そうか、ちょっと改善したか。

続けて龍田さんの声。
『夕立ちゃんはどう?』

『うん……ちょっとイケそうっぽい』
健気に答える夕立。

……まだ海上で各自、海面や艤装などの様子を見ているようだ。

 しかしインカムだけではない。
改めて自分の居る来賓席の周辺の音響設備や通信機等の機器類を観察してみると全てが非常に小型だ。ワイヤレス技術が発達してコード類がほとんどない。
「やはり私たちは違う時代に来ていると考えて間違いないな」

「……」
まるでSF小説の世界だが……祥高さんは、そういう類の書物は専門外なのだろう。余り反応しない。

 なぜここに来たのか理屈は不明だが、そう仮定すると全て説明がつく。この鎮守府の様子や機械にも納得がいく。

 そもそも今、耳に付けたこの小型インカムにしても高性能だ。驚くほど小さな無線機でコードも無く軽くて感度は非常に良好。艦娘たちの交信もクリヤーに入る。これで指示も出せるようだが少々、勝手が分からないから今日は止めておく。

「では……演習、始めっ!」
ブルネイの霧島さんの掛け声を合図に浜辺に居たブルネイの扶桑姉妹が号砲を響かせて、いよいよ演習が始まった。会場全体から歓声が上がる。

 息遣いも聞こえるくらいに実況感度も良好だな。霧島さんの声が入る。
「おっとぉ両艦隊共に駆逐艦と軽巡洋艦が飛び出したァ」

「軽巡……龍田さんは分かるとして夕立よ、お前はあんなにゲロゲロやっていたのに、そんなダッシュして大丈夫なのか?」
私も呟く。

「夕立ちゃん、大丈夫?」
無線機越しに、うちの龍田さんも心配している。

「もぉ、ワカラナイっぽい。こうなったら前に出るっぽい」
いつもより、ちょっと声のトーンは低いけど、さっきより回復している。私はホッとした。さすが艦娘は現役の軍人だ。

 ちょっと不思議なのは、この通信機は私たちの艦娘のやりとりだけが聞こえることだ。
「なるほど(ブルネイ)の声は、うまく聞こえないようになっているのか」

 演習だからな。お互いの作戦が筒抜けになったら意味が無い。
 さて夕立の回復した声を聞いた私は安堵しつつ、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ