暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆強くなりたい、彼を守るために
第二十話 強くなりたい
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「本気……なの?」
「はい。あの時、わたしは何もできない自分自身が本当に悔しかったんです。だから、お願いします!」
「……分かった。ただし、今から本気でやるとするとかなり厳しいよ。なにせ、他のプレイヤーを大幅に上回る速さでレベリングしないと意味が無い。僕も全力でサポートするけど、命の危険があるよ。それでもやるんだね?」
「……やります。それで強くなれるなら、やってやります!」
「……そこまでの覚悟なら僕は拒否しないよ。それじゃ、やろうか。」

なんでも一つ、僕にできることならやってあげる――シリカはマルバに、わたしを強くしてほしいと頼み込んだ。それも、マルバと共に戦えるくらいに。
中層プレイヤーにとって攻略組とは雲の上の存在だ。いまからそのレベル差を埋めるなんてできっこない……本来ならば。だが、情報の提供者がいれば話は違う。効率的なレベリングの方法、ダメージを極力受けずに敵と戦う戦術、様々な攻略組としての知識を持つものが導けば、時間をかければ可能なのだ。そして、マルバはソロで、更に低レベルで攻略に励む敏捷型のプレイヤーである。レベルが低くても強い敵と互角以上で戦う方法なら知り尽くしている。その点、マルバはシリカの指南役として最適と言えた。


そして……一日目。
「あの、ほんとにここでやるんですか……?」
「ここが一番効率的なんだよ。安全マージンなんてものはプレイヤースキルがちゃんとあればどうとでもなる。いいかい、ヒット・アンド・アウェイが絶対だよ。決して深追いしちゃだめだ。必ず基本技のみを使い、硬直時間を極力作らないようにすること。危なくなったらすぐに全力でバックステップするんだ。僕は後ろからチャクラムで援護するけど、君がダメージを与えないと意味が無いから、君ができるだけたくさん攻撃するんだ。いいね?」
「はい、分かりました。……よろしくおねがいします。」
「それじゃ、行くよ!」
シリカとピナが先に、マルバとユキが後を追うように第四十六層の蟻塚に飛び込んでいった。ここの敵は攻撃力が高いが、HPも防御力も低い。回避さえしっかりできれば最も効率が良い狩場である。かつては一つのパーティーで一時間しか狩れないようなルールがあったほど人気な場所だった。今はここをレベル上げに利用するプレイヤーはいなくなってしまったが。攻略組はもう二階層上の狩場を利用するし、中層プレイヤーにはポップする敵が強すぎるからだ。
しかし、本当はマルバでもここでレベル上げをするのは厳しいのだ。もし囲まれればかなり危ない状況になる。それでもマルバがここを選んだ理由は、このような狩場と敵は少人数パーティーに相性がいい点にある。背後からの視界が利くから援護がしやすいし、後ろの敵を引き受けるプレイヤーがいれば囲まれることはない。シリカはマルバの援護を受けて一心不乱に敵を
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