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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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てって!」

風切り音さえ置き去りに空を斬ろうとしていた切っ先がピタリと止まる。降ってきたその声が、あまりにも予想外すぎた。

呆気にとられ、再び固まる黒雪姫に、屋上からは「よっ」と軽い掛け声とともに小さな影が月光の下に矮躯を躍らせる。

音もない見事な着地でタイル張りのグラウンドの上に降り立ったのは、せいぜい身長は130あるかないかの小さなデュエルアバターだった。

大粒のエメラルドを思い起こすような大き目の両眼しかないマスクに、アンドロイドのような頭部から突き出したツインテール状のアンテナ。そしてそれら全てを覆いつくす、ダークグレーとルビーの二色を基調とした半透過アーマー。

「なぜだ……」

あまりの出来事の連続に、割れた声を黒雪姫は発する。

「どうして貴様がここにいるんだ!レイン!!」

その動転した叫びに、加速世界にわずか七人しか現存しないレベル9erにして、巨大レギオンを率いる最強の支配者《純色の六王》の一人、《不動要塞(イモービルフォートレス)》スカーレット・レインは――――



「ンなモンこっちが知りてぇよ!!」



逆ギレした。










「つまり、私との通信の最中、原因不明のノイズが発生したと同時に、《対戦観戦》モードが起動した、と?」

「あぁ、……しょーじき意味不明だ。あたしゃ練馬にいたんだぞ。なんで杉並のアンタの対戦に引きずり込まれなきゃなんねぇんだ?」

真っ赤な少女型アバターは、少し離れたところで二本のアンテナ状パーツをぴこぴこ振りながら唸り声をあげる。《親子》や《同レギオン》以外のギャラリーは、対戦者の周囲十メートル以内には近寄れない。そのため、いくらか声を大きくしないと伝わらないが、コミュニケーション自体は問題ない。

黒雪姫とニコの二人は、校舎に背を預け、ひと時の情報交換に投じていた。

こんなのんびりしていていいのだろうかと思いはするが、対戦相手の現在位置を示す視界中央の水色三角、すなわち《ガイド・カーソル》に大した変化はない。おそらくはスタート位置付近をウロウロしているのだろうが、その真意は図りがたい。

とはいえ、ニコの話は決して悠長なものではない。

あらかじめ登録しておいたバーストリンカーの対戦を観戦するため、不干渉の状態で対戦フィールドに召喚される。それが対戦観戦モードだ。その際、乱入された際に現れる【HERE COME……】の文字ではなく、【A REGISTERED DUEL IS BEGINNING!!】というはっきりとした掲示をもって予約観戦が開始され、アバター姿で対象の戦場へと出現する。

だがその観戦モードも、同じ戦域内でしか適用されない。要するに、登録したリンカーが他区域を根城にしている
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