暁 〜小説投稿サイト〜
とある3年4組の卑怯者
38 書店
[1/3]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 とある日、リリィは家で紀行番組を見ていた。その番組はある女優が広島の厳島神社や世羅高原農場、錦帯橋などの観光スポットを巡ってリポートしていた。
「広島いいわね。行ってみたいわ」
「そうだなあ、でも遠いな」
 リリィの父が言った。
清水(ここ)から広島までどのくらいかかるのかな?」
「そうね、新幹線を使って、4時間以上かかるわね」
 リリィの母が言った。
「そうか、簡単に行けないわね」
「でも、余裕ができたらいつか行ってみようか」
「うん、ありがとう、パパ」
 リリィはいつか広島を探訪してみたいと思った。

 翌日リリィは花輪に広島へ行ったことがあるか聞いてみた。
「花輪クン、花輪クンは広島に行ったことある?」
「広島?ああ、もちろんさ。PapaとMamaが日本に戻ってきた時、一度行ったことがあるよ、Baby」
「へえ、色んな観光場所(スポット)があるわよね?」
「Of course.厳島神社に広島城を見たけど、やっぱりあそこは平和を思い出す街でもあるのさ」
「平和を?」
「ああ、原爆domeっていう場所があってね、あそこはもう戦争の恐ろしさを伝えてくれる場所なのさ」
「そう・・・」
 リリィは原爆ドームの事を知り、切なく悲壮に思った。
「でも、それ以外にもお好み焼きはとても美味しいし、広島の人に愛されている野球teamもあるから、行ってみるに越したことはないさ」
「そうね、私昨日受像機(テレビ)で広島の旅番組を観て行きたくなっちゃったの」
「そういうことか、Baby」
「ありがとう、花輪クン」
 リリィは自分の席に戻った。その時、藤木は花輪と仲良く話すリリィを羨ましそうに見ていた。
「藤木君、君リリィが花輪クンと喋っていて羨ましいんだろ?」
 永沢が急に聞いてきた。
「あ、いや、その・・・」
「え?私はただ広島について話してたのよ」
「広島?なんで急に・・・」
「昨日受像機(テレビ)見てたら広島のこと紹介していて行ってみたくなったのよ」
「ああ、そうだったんだね」
 藤木は理由が分かって安心した。
「まったく、君って本当に嫉妬深いんだな・・・」
「う・・・」
 藤木は永沢に反論できなかった。
 
 リリィは帰りがけに書店によろうとしていた。そうしたら、『広島まちめぐり』という題名の本を見つけた。
(うわあ、欲しいなあ)
 リリィは定価を確認した。720円とあった。
(買えるかなあ?)
 リリィは不安になって家に帰ることにした。貯金箱や財布の中の金額を数えてみると、1570円あった。
(やった、買える!)
 リリィはお金を持って書店に向かった。その時、野口と遭遇した。
「おーや、リリィさん・・・」
「野口さん」
「どこ行くのかな・・・?」
「本屋さんよ、買
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ