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【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0187話『不知火の見た夢』
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うな」
「しらぬい、ですか……」
「そうだ。多分武装とかも近代的だったんじゃないのか?」
「は、はい……確かに昔の私達が装備していた武装とはかなり異なっていました」
「それならおそらく私の予想は当たっていると思う。やっぱりどこかで不知火と繋がっているんだと思う。私の元の世界ではおそらく昨日がそのしらぬいの進水日だったんだな」

司令のその予想の内容を聞いて私は胸にストンッとなにかがはまる感じを覚えました。
そうですか……。
私の名を引き継いだ船が就役したのですね。
それは……とても素晴らしい事だと思います。

「不知火さん、よかったですね」
「ええ。もしそれが本当だったのでしたら私も嬉しい限りです」

早霜にそう言われましたので私も少し表情が笑っているように感じました。

「お、不知火の久しぶりの笑みを見れたな。なんとも役得な気分だな」

おや。顔にもやはり出ていましたか。
ですが司令になら見られても別に構いませんけどね。

「それでしたらその新たな私にはこれからも活躍してもらいたいものですね」
「そうだな。きっと、不知火の魂を宿しているだろうから果敢に挑んでくれるだろうさ」
「そうです……。不知火さんの名を引き継いだのですから立派になってもらわないと困りますからね」

それで三人で笑みを浮かべあいます。
こうして笑うのも久しぶりな気がしてなりません。
実に気分がいいものですね。

「司令。私も新たな私に負けないようにこれからもご指導ご鞭撻のほどをよろしくお願いします」
「わかった。不知火もいい練度に達しているから限定作戦では使う時が来るだろう。期待しておいてくれ」
「はっ! 了解です」

それで私は司令に敬礼をしました。
それから私は執務室を早霜と一緒に出ていきました。
部屋へと帰る道中で、

「ですが、やはりいいものですね。もう一人の自分が就役するというのは……。私にもいずれは名前を継ぐ船が現れるのでしょうか……?」

早霜はそれでどこか遠い眼差しをしていました。
おそらく気分を私と重ねているのでしょうね。

「きっと必要な時が着ましたら早霜の名を継ぐ船は出てくると思いますよ」
「そうですね。だといいのですが……」

それから早霜と少しの間、色々と話し合いました。
話的には事務的なあれこれがほとんどですが悪いものではなかったですね。
その後に早霜とも別れて私は部屋に戻るなり、

「ふぅ……ですがやはり司令に話してよかったです。こんなに胸が晴れやかな気持ちになるとは思っていませんでしたから。ふふっ……護衛艦 しらぬい、ですか。頑張ってくださいね、もう一人の私……」

目を瞑ってもう一度進水したしらぬいの光景を思い出していました。
するとどこからか船の汽笛
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