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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
22.世界の中心・アルン
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「…………世界樹…………」

階段を駆け上がった先、濃紺の夜空にくっきりと映る巨大な影に視線を奪われた。

「…………間違いない。ここが《アルン》だよ。アルヴヘイムの中心。世界最大の都市」

「……道中色々あったけど、ようやく着いたな」

「ああ。……ようやくだな」

大きく伸びをするシュウと頷くキリト。そのポケットからユイが顔を出し、輝くような笑みを浮かべた。

「わあ……! わたし、こんなにたくさんの人がいる場所、初めてです!」

それはリーファも同じだった。種族の領地を出て、自由に楽しんでいるプレイヤーがこれほどいるとは思わなかった。
パイプオルガンのような重厚なサウンドが大音量で響き渡る。機械的な女性の声が空から降り注ぐ。午前四時から週に一度の定期メンテナンスが行われるため、サーバーがクローズされるという運営アナウンスだ。

「今日はここまで、だね。一応宿屋でログアウトしよ」

スプリガンとインプは、目の前に聳え立つ巨大な幹を睨みつけている。いや、もっと上の遥か高みの世界樹の枝。
細められた二人の瞳。そこでリーファはこの少年たちがアルヴヘイムにやってきた理由を思い出した。
世界樹の上にいる《誰か》を探していると言っていた。
するとこちらの視線に気づいたキリトがいつもの表情に戻って言った。

「メンテってのは、何時まで?」

「今日の午後三時までだよ」

「そうか……」

軽く眼を伏せるキリトの背中をシュウは強めに叩く。パァン、という快音が辺りに鳴り響いた。

「なんて顔してんだよ。ほら、早く宿屋に行ってログアウトすんぞ」

シュウはまるでキリトに心配するなと言っているようにわずかに笑みを浮かべる。するとキリトは笑みを浮かべ返すと素早い動きでシュウの背後に回り込み、先ほどよりも快音が響くほどの強さでシュウの背中を叩いた。
シュウはそのまま悶えながら地面に倒れこんだ。痛覚など働いていないはずなのにかなりオーバーなリアクションをとっている。

「お返しだ……」

いつもの悪戯をするような笑みを浮かべるキリトにリーファも安心して自然と笑みがこぼれた。
この二人は、言葉を交わさずしてもどこかで通じ合っているように見えた。互いにメチャクチャで、どちらも人に合わせるようなタイプでもない。それなのにいざという時には、わずかな言葉だけでも相手を理解して行動する。噛み合わないようで、噛み合っている。そんな関係がリーファにとってはとても羨ましく見えた。仮想世界(こっち)をもう一つの現実だと感じているキリトとシュウだからこその関係なのかもしれない。
いつかリーファもそんな風にこちらでも心を許せる人ができるのだろうか。
不意に向かいの家に住む少年の顔が浮かんだ。しかし、浮かんだが表
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