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TOHO FANTASY T
少女
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「今私たちは何処へ向かうべきなのよ!?」

霊夢はバイクを高速で運転しながら後方の仲間に聞いた。メーターは既に120を示しており、彼女の疾走を多くの街の人々が目撃する。トンネルを抜け、その高速たるや汗血馬の如し勢いで、二人を乗せたバイクは疾走する。手慣れない霊夢がその視線の先に捉えるは、全く不明な未来である。そんな彼女達を執拗に追いかけるのはマスコミであり、世間体に情報を届けるためにヘリコプターを巧みに操ってバイクを追いかける。数多くのヘリコプターがバイクの動きに付随するように滑らかな推移を見せており、その世界を動かさんとする英雄を追いかけるは主神ヴォーダンに仕えるヴァルキューレに相違ないだろう。零落の閃光、〈創造〉で繕われる棕櫚縄の流れ。それらは虚空で謳われ、凛々しく、また瑞々しさを誇っている。

「今現在、B区域に突入しました!」

とある一台のヘリコプター、最も霊夢たちに至近して撮影を試みる命知らずなそれの中から身を半分出した女性リポーターは説明していた。B区に突入すると、周りのビル街が商業施設に変わり、店員や客が猛スピードで疾走する彼女を話しのネタにしていた。轟音を伴わせて駆け抜けるバイクは、人の波を突っ込む大槍である。歯を食いしばり、どうなろうとも受け入れる覚悟の出来た決心顔で、死への勝利を目論む哲学者の紅潮は、ウーファ映画の一つを作れるに違いないだろう。彼女は格好の餌食であった──願望と戦意の孤独において。

「…B区を超えた先に街を離れて、とある農村に行きます!ひとまずはそこへ向かいましょう!──そこの人たちはいつも奴隷反対デモをやっていたので、きっと助けてくれるはずです!」

後ろの仲間はそう彼女にアドバイスをする。風の音が邪魔して声が余り届かなかったが、古代の文字の解読者のように一部一部を繋げて全体の意味を見出した彼女は咄嗟に理解した。そんな彼女はすぐさま了解の旨を開口し、仲間の指示を仰いで騎を操縦した。

そのまま疾走しては信号も無視し、車との接触を避けながら進んでいく。しかし次の交差点はパトカーで塞がれていた。パトカーが彼女の運転するバイクの進路を拒んでいるのだ。数台を縦に並べ、道路そのものを塞ぐ砦を作り上げていた以上、万事休すであった。中に乗っている警察官たちは、やって来た彼女達を先回りして待ち構えており、何時でも対応可能な状態であったのだ。霊夢は刹那的に把握した。そして歯軋りして状況を呪ったのである。今の彼女は正しくソドムとゴモラを殲滅する力さえ体現出来ていたのかもしれない。

「…ぶ、ブレーキをかけてくださいっ!」

仲間はそう焦って霊夢に伝えるが、霊夢はそのまま斜め右に直進し、商業施設の立体駐車場に突入する。一般の利用者に紛れて逃走を図る判断に、流石の警察たちもこの行動は予測していなかった。すぐさ
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