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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四十二話 後始末
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 終わり良ければすべて良し。

 不器用な俺にとってこの言葉はとても救いを感じる言葉だ。

 結果に至るまでの過程でどれだけのミスを犯しても、最後に理想通りの結果を迎えることができれば万々歳。

 たとえ最初に描いていた道筋とは大きく逸れていたとしても、結果が全てだと思えばどんな失敗があっても立ち直れる。

 そういう意味では今回の『ジュエルシード事件』は、当初の予想していた結末とは大きく違うものになった。

 最初はジュエルシードをなんとか集めきって、ユーノとお別れするみたいな感じ。

 次はフェイトやアルフ、イル・スフォルトゥーナの出現があったので、三名の猛攻を防ぎつつジュエルシードを回収しきるみたいな感じ。

 なんて思っていた俺の計画はどれもうまくいかず、結局は全てのジュエルシードをプレシアに渡して、フェイトとアルフを保護すると言う結末に至った。

 プレシアのことも、逮捕して刑を受けている間にフェイトとの関係を取り戻すこともできたかもしれないけど、それはあくまで俺の予想であって二人の心情はそれを望んでいなかったかもしれない。

 ――――後の調査で、プレシアが今回の件に至るまでの全容が見えた。

 今から二十六年前、中央技術開発局の第三局長だったプレシアは、個人開発の次元航行エネルギー駆動炉『ヒュードラ』の設計主任をしていた。

 大エネルギーを保有する駆動炉の開発は常に危険と隣り合わせで、僅かな演算ミスがそのまま失敗に……果ては大規模な爆発を起こしてしまう。

 プレシアのそれまでの経歴と、本人の能力や性格を合わせみて、駆動炉の開発は失敗しないはずだと思ったけど、改めて深く調べた所であることを知った。

 この駆動炉『ヒュードラ』は前任だった開発主任から中途半端な形で引き継いだものだった上に、開発には短い期間しか与えられていなかった。

 前にも言ったが、駆動炉の開発は危険と隣り合わせだ。

 一から作ることがどれだけの労力を費やすか、少し調べただけでも察するのは難しくない。

 もちろんそれが成功すれば、人々の生活を豊かにする可能性すら秘めているものだが、リスクも大きい。

 だから本来、こういった大型駆動炉の開発は一度決めたメンバーで最後まで行うのが常識だ。

 たとえ引き継ぐことがあっても、主要メンバーを変えることは滅多にない。

 なぜなら途中で引き継がれた側は、前任の人がしてきたこれまでの演算を再度計算し直さなければいけないからだ。

 数値に僅かなミスも許されない。

 だから中途半端に完成しているそれを最初から見直し、ミスがないか確認するのは苦労も多いが、何よりミスを見つけた瞬間が厄介だ。

 その箇所の数値のミスは、その後全ての数値が狂っている
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