暁 〜小説投稿サイト〜
銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百十七話 漆黒の陰謀
[1/5]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話

第百十七話 漆黒の陰謀

帝国暦483年7月25日

■オーディン ノイエ・サンスーシ 

「そうか、あの者が決闘とは」
「陛下、リッテンハイム侯もヘルクスハイマー伯も懲りない御仁ですな」
「ははは、国務尚書、あれらは、中々治らんじゃろうて」

「誠に恐れ多き事なれど」
「それでアンネローゼが心配しておったわ」
「もしや陛下がお止めになるのですか?」

「それも考えたが、丁度良い事にテレーゼが決闘も見に行きたいと申してな」
「陛下いけませぬぞ、皇女殿下をその様な野蛮な所へお行かせ為さるのは」
「シュザンナにも駄目だと言われたそうじゃ」

「では、お止めに成られるのでございますので」
「いや、オフレッサーを護衛に付けて行きたいと言ったのでな、許したわ」
「陛下、余りに危険でございますぞ」

「何の、護衛はオフレッサー以外にも居るし、所詮は見せ物じゃ」
「しかし、皇女殿下がお忍びとはいえ、下賤な決闘に行かれるのは、危険でございますぞ」
「ははは、大丈夫じゃ、何でもコスプレとか言う感じで、変装していくらしいからの」

「変装と言っても、今は先頃の綱紀粛正で不平不満の貴族もおりましょう。殿下に万が一のことがあったら如何致します」
「大丈夫じゃ、オフレッサーならば、一個師団が来てもテレーゼを守ってくれよう」

結局はリヒテンラーデ侯の心配を余所にテレーゼがお忍びで決闘見学に行く事が決まったのである。



帝国暦483年7月25日

■オーディン 国務省 リヒテンラーデ侯爵オフィス

皇帝との話の後リヒテンラーデ侯は国務省に帰還した。着くなり、余り浮かぬ顔のリヒテンラーデ侯を心配したのか、政務秘書官のワイツが早速やって来た。

「如何成されましたか、侯爵様」
「んいや、大したことではないが」
「そのお顔では大したことではないと思えませんが」

寒門の出だが、リヒテンラーデ侯が信頼しているワイツにそう言われると、少しは気が晴れるかと、ポツリポツリと話し始めた。

「皇女殿下があろう事か、ヘルクスハイマーとシャフハウゼンの決闘をお忍びで見学なさるのじゃ」
「なんと、その様な危険な事を」
「であろう、儂は陛下をお止めしたのじゃが、陛下は『オフレッサーを護衛に付けるから大丈夫じゃ』と仰ってな、儂の忠告を聞いてはくれん」

「それは、侯爵様のお言葉が正しいと存じます」
「此、不敬じゃ」
「此は、失言でございました」

「致し方ないと言う事だ」
「まっこと」
喋った後でリヒテンラーデ侯は口止めも忘れない。

「ワイツ、この事努々喋ってはならんぞ」
「御意にございます」



帝国暦483年7月25日

■オーディン 某所

「なに、テレーゼが決闘
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ