暁 〜小説投稿サイト〜
世界をめぐる、銀白の翼
第六章 Perfect Breaker
脅威顕現
[1/9]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
これまでのあらすじ


大錬金術師ガラの力により、「EARTH」敷地内は三か所を別の土地と入れ替えさせられてしまう。


その内の一つ。
「EARTH」(仮)を巻き込んだ転移先は、なんと翼刀と唯子の故郷であった。


封鎖された街。止まっていた時間。
鉄家の道場の中で、それが再び回りだす―――――



------------------------------------------------------------


「いざ、尋常に勝負」
そのありきたりな言葉を言い終わらないうちに放たれた翔剣の拳。

突進と共に拳を突きだし、同時に放つ不動拳。

つまり、唯子が使用する「パニッシャ―パンチ」
正式名称「鉄流不動拳 第一奥義・動不動拳」


それを初撃にて受け止め、ふきとばされながらも口角を上げて睨むように笑う翼刀。

だが、決して余裕から来るものではない。
この男の力はとてもではないがその程度では終わらないからだ―――――!!!



「行くぞ!!」

気合一発。
駆け出していく翼刀に対し、翔剣は構えすらもしない。

翼刀の振るわれる拳を、スウェーと体捌きのみでヒョイヒョイと回避していく。

まるで落ち葉を狙って殴っているようだ。
当然、翼刀にはそれを打つ技術はある。

ただ単に、翔剣の身のこなしは、落ち葉のそれを凌駕するというだけのこと。


パンッ!

「うぉ」

そして、軽い足払い。
しかし軽いとはいっても、翼刀の左足は完全に宙に浮き、上半身がぐらりと揺らされる程のもの。

そこに打ち込まれる肘打ち。
水月(鳩尾)の部分に叩き込まれるそれを翼刀は仰向けに落ちていく身体で、何とか両手で受け止める。

ドフッ!!と背中から地面に落ち、衝撃が肺の空気を押し出そうとする。
それを、衝撃を流すことでそれを防ぎながら、顔面に振り下ろされる踵落としを回避――――


「墳っ」

「っつぇ!!?」

語気は強いわけではない。だがそれでいて、その威力は押して図るべし。
振り下ろされた踵は地面を砕き、転がって逃れようとした翼刀は四分の一も身体を返さないうちに、爆ぜた地面の衝撃に打ち付けられる。


(が・・・・これ不動とかじゃねぇぞ・・・・ただの踵落とし・・・)

否。そこまで考え、翼刀は認識を改める。

あれは踵落としですらない。
足元に敵がいる。踏みつけるか。その程度。

あれは技ですらなく、まだ「ただの動作」程度の動き――――






「ゆ、唯子さん!!」

「思ったより動かないから見届けとしては楽だけど・・・・・ん?あれ、さやかちゃん?」


二人の戦いを、すぐそばの民家の
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ