第二章
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四人で何とか逃げようとした。しかし家を出た瞬間にだ。
その家が崩れてしまった。あまりもの揺れで。その崩れ落ちる家にだ。
家族の最後尾にいた明菜が巻き込まれた。上半身は何とか無事だった。下半身の殆ども。
しかし右足を挟まれてしまった。足は手首からそうなってしまった。
その明菜を見てだ。最初に叫んだのは春奈だった。
「明菜、大丈夫!?」
「え、ええ」
右足を挟まれてうつ伏せになった姿勢でだ。明菜は駆け寄ってきた姉に答えた。
「大丈夫よ。けれどね」
「右足、挟まれてるね」
手首のところでそうなっていた。崩れた家の間にだ。
それで動けなくなっていた。それを見て春奈はすぐにだ。
傍にあった木の柱、家が崩れてそこから出たそれを崩れた家と家の間、明菜のすぐ傍に挟んでだ。梃子の要領で引き揚げようとした。
渾身の力でそうしながらだ。彼女はこう妹に言ったのである。
「もう少しだからね」
「助けてくれるの」
「そんなの当たり前じゃない」
渾身の力を込めている顔でだ。春奈は妹に答えた。
「だって。ずっと言ってるじゃない」
「私がお姉ちゃんの妹だから」
「ええ、だからよ」
「私を助けてくれるの」
「ええ、そう決めているから」
だからだ。明菜を助けるというのだ。
「そうするからね」
「有り難う。けれど」
「けれどって?」
「足、無理みたい」
明菜は絶望した顔で春奈に答えた。
「ちょっとね」
「無理って」
「だって。何か凄い崩れてるよね」
「そんなことないから」
春奈はあくまでこう言って明菜を励ます。
「大丈夫よ。絶対に助けられるから」
「ううん、もうこれはね」
駄目だとだ。明菜は首を横に振って春奈に言った。
「無理よ。本当に」
「だからそんなことないって」
「わかるから」
それでだとだ。明菜はここでこう言ったのだった。
「だからね」
「だから?」
「私のことはいいから」
明菜はこう春奈達に告げた。
「先に逃げて」
「えっ、明菜今何て」
「だから。私運よく火事とかが起こらなくて何もなかったら」
そうなればだというのだ。
「助かるから。そのうち誰か助けに来てくれるから」
「救助隊の人達が?」
「そう。それで助かるかも知れないから」
実際はそう思ってはいなかった。姉達を先に行かせる為の方便だった。
それで言ってだ。姉を何とか行かせようとするのだった。両親達も。
「早く行って」
「そんなの絶対に嫌よ」
春奈は自分の下で蹲る、足を挟まれたままの明菜にこう言い返した。
「出来る筈ないじゃない。明菜を見捨てて行くなんて」
「けれ
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