暁 〜小説投稿サイト〜
SAO−銀ノ月−
殺害
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ロながらもそれだけで無事な姿のリズたちに、さらに場の雰囲気は緩んでいたが。助けに来てくれた仲間たちの中に、敵の狙いの本命である彼が交じっていないことに気づいたリズは、何か焦りながらも仲間たちに問いただしていて。

「ショウキさんなら、なにか、店員NPCが……」

「……いや。アイツは今、リーベと決着をつけてるんだと思う」

「えっ……?」

 店員NPCが突如として、ショウキに行かないでほしいと懇願してきた――などと、今でも原因が分からない事柄を説明しようとしたルクスの言葉に被せて、キリトがリズに言い聞かせるようにそう言い放った。原因や理屈は分からないが、アレはショウキを武具店に留め置くための罠だ、ということにはキリトも後から勘づいてはいた。

「だからアイツは、リズたちを頼む、ってわざわざ言ったんだ」

「それじゃダメなのよ! あたしたちは、ただの囮だったの!」

「リズさん、落ち着いて……!」

「……どういうことだ?」

「っ……とにかく、走りながら!」

 それでもデジタルドラッグなどと得体の知れない、それもシノンが直接的な被害にあっている相手に、追い込まれているリズたちを見捨てて引き返すわけにもいかず。真犯人であるリーベとの決着を因縁があるショウキに任せて、とにかく急いで合流を果たすことを選択したキリトだったが、その判断は間違いだったと憔悴したリズは語る。

「捕まえたプレイヤーの一人が言ってたの。デジタルドラッグを売ってた人が、余ったのを全部、自分が使ってたって」

「ちょっと……一回でも打ったらあんな頭パーになるものを、何個も!?」

 とにかくこのダンジョンから脱出するべきだと、シリカの制止の声も聞かずに出口へ走り出したリズを追いながら。先頭を走るリズの代わりにリーファが答えると、事件が表沙汰になる前からデジタルドラッグのことを掴んでいたグウェンが、その出来事にあからさまに驚愕する。実際にデジタルドラッグについて知らない者も、服用すればショウキやキリト以上の反応速度を見せ、それに比例するようにペイン・アブゾーバーが解放される代物などと聞き及んでいれば、想像上ながらも戦慄せざるをえない。

「……だがよ。いくら出来がよかろうが、そんなオーバードーズすりゃ、《アミュスフィア》に引っ掛かるぜ」

「そうよね。リミッターに……」

 とはいえエギルやアスナの言葉通りに、《SAO事件》を経て開発された《アミュスフィア》には、過剰なまでのリミッターや安全装置が幾重にも施されている。現にデジタルドラッグの服用者たちは、ペイン・アブゾーバーの衝撃から逃れるために、リミッターによって強制的にログアウトされていた。

 ……逆に言えば、デジタルドラッグを一つでも使ってしまった場合の副作用は、リミ
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