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英雄伝説〜光の戦士の軌跡〜
第一話
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をつくことがあっても何度でも立ち上がって前に進んでみせるさ。
 じゃあな、戦友!」

「さらばだ、戦友。」


そして彼は消えていった。












『秩序の聖域』


戦いの輪廻から開放されたこの世界において未だ存在し続ける空間。
そこで『大いなる意思』と呼ばれる存在が消滅した筈のコスモスに語りかけていた。


「永き戦いは終焉を迎えた‥‥‥いや、迎えてしまったと言うべきか。
 まさか、このような結末とは‥‥‥。」

「世界は新たな選択を望んだ、という事です」

「世界が存在する限り、争いの種は尽きぬ。
 秩序や混沌も、元は人から生まれた『思い』そのもの。」

「何も‥‥‥変わりはしない、と?」

「それは、ルフェインの力を持ってしても、未だ解けぬ問い。
 真実を知るのは‥‥‥。」

「未来、そのもの‥‥‥。」


そう言いながらコスモスは両手を掬うように出した。そこにはコスモスに近い光を放つ一つの光球。


「ならば彼にも新たな未来を見せねばなりません。」

「彼は……そうか、確か元の世界では既に故人となっていたな。
 魂のみながら強い力と意思を持っていたが故に戦士としてこの地に降り立つ事ができた。」

「ええ、そして最後まで戦い抜きこうして眠りについています。
 しかし一から創られた彼とも器に記憶を定着させた彼等とも違い魂のまま戦った彼の傷は深い。
 このままでは消えてしまうでしょう。」

「故に消える前に新たな世界に送る、か。」

「ええ、傷を癒す為にも赤子として命の環に乗せる形で送ることになりますが。
 それに倒されたカオスの力の欠片が落ちた世界があります。
 先の言葉を利用する形になりますが欠片を消して貰う為にも任せるしかない。
 ……ここに連れて来る際の『浄化』で経験を忘れてしまった彼をまた過酷な戦いに送り出す事になってしまう。」

「随分と余計な心配をしていますのね。」


その言葉と共に先程までこの場に居なかった者が姿を現した。
見た目は幼子のようだがその内に秘める力は神々にすら匹敵するその女性の名は……


「シャントット……。」

「ええ、私ですわ。弟子が世にも珍しい門出と聞いてわざわざ来たというのにまだグズグズしているんですの?遠慮は要りません、さっさと命の環とやらに乗せてしまいなさい。なんなら叩き落しても構いませんわ。」

「……心配はしていないのですね。」

「それはその程度で心配されるようなヤワな鍛え方はしていませんわ。それに人を見る目も人を惹きつける才能も呆れるほどに持っています。どうせ直ぐにそれに並ぶお人好しがぞろぞろ集まりますわ。類は友を呼ぶといいますから。」


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