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ラッキーカラー
第二章

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「今からね」
「また幸せになるのね」
「たこ焼きの時と同じで?」
「そうなるのね」
「そうね」
 否定せずにだ、美優は友人に笑って応えた。
「さっきたこ焼きを食べた時と同じで」
「また幸せになるの」
「そうなるわ」
 こう友人に答えた。
「ネックレスを買って」
「じゃあ買ってね」
「ええ、幸せになるわ」
 こうしてその赤いネックレスも買ってだ、美優は満面の笑みを浮かべた。その後で二人で街を歩いていてだった。
 美男美女のカップルと擦れ違ってだ、今度はこんなことを言った。
「さっきの人達見た?」
「カップルの人達ね」
「ええ、お二人共凄い美形だったわね」
「そうね、確かに」
「あんな素敵なカップル見られるなんて」
 それこそというのだ。
「私幸せよ」
「そこでまた幸せっていうの」
「駄目かしら」
「いや、確かに美形カップルだったけれど」
 それでもとだ、友人はにこにことしている美優に言った。
「それでも普通でしょ」
「そう?」
「美形の人達を見るのも」
「そうかしら」
「結構世の中美人さん多いわよ」
 そして美男子もというのだ。
「だからね」
「いや、それがお二人共って」
「そうそうないからなの」
「しかも幸せそうだったから」
 このこともあってというのだ。
「観られてね」
「嬉しいっていうのね」
「幸せよ」
「そこでまた幸せっていうの」
「ええ、ほら私今もね」
 ここでだ、美優は自分が着ているセーターとその襟のところからブラウスに触れて友人に話をした。
「赤い服着てるでしょ」
「あんたのラッキーカラーのね」
「だからなのよ」
「いいことがあったっていうのね」
「だから幸せよ、本当にね」
 こうも言うのだった。
「赤い服が導いてくれたのよ」
「そこまで言うのね」
「駄目かしら」
「駄目じゃないけれどただね」
「ただ?」
「いや、美優ちゃんって多分ね」
 その美優を見て言うのだった、共に街の中を歩きつつ。
「いつも凄く幸せなのよ」
「赤い色のもののお陰で」
「その前からだと思うわ」 
 考えながらだ、友人である美優に話すのだった。
「元々何でも幸せを見付けて喜べるのよ」
「私はそうだっていうの」
「そう、だからね」
 それでというのだ。
「幸せなのよ、いつも」
「赤が導いてくれるんじゃないの?」
 幸せにとだ、美優は友人に怪訝な顔になって問い返した。
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