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銀河英雄伝説〜ラインハルトに負けません
第百八話 キルヒアイス、担がれる
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9日

■リューゲン星

リューゲン星に到着したカイザーリング艦隊は、此処では半舷上陸を行った。
ラインハルトとキルヒアイスは別々の組になってしまい、ラインハルトが艦内に引きこもったが、部屋の入り口付近にはヘールトロイダ曹長が陣取っていた。

上陸中だが、キルヒアイスはキルドルフ大尉に連れられて、地元の駐屯地へ仕事で出かける事になった。オーディンのように自動運転のGPSなどが完備されていない田舎星であるから、運転士を頼まれたのである。

「済まんな准尉、折角の休みなのに」
「いえ、お気になさらないで下さい。自分もどうすれば良いか迷っていましたから」
「ヘールトロイダ曹長については申し訳ない」

「シェーンヴァルト少尉が大変迷惑していますし」
「んー、姐さんは、並みの装甲擲弾兵じゃ敵わない女傑でな。中々説得に応じてくれないんだ」
「大尉、出来るだけ早く、開放してあげて頂きたいのです」

「判った。努力するよ」
そう話している最中に田舎道の近くの畑に填った軍用車を見かけた。
不思議に思いその車の近くへ向かうと、車の影から服を破られ肌も露わな女性が助けを求めて飛び出してきた。

「止めろ!」
そう言うとキルドルフ大尉は、キルヒアイスに車を止めさせ、車から飛び出していく。キルヒアイスも同じく用心しながら車から降りる。

「助けてください」
恐怖に怯えた様子で助けを求める女性は20代ぐらいの日焼けした農家の娘のようであったが、可愛い顔をしていた。

「大丈夫か」
キルドルフ大尉が女性を抱きかかえる。その時である、車の方から唸り声と共に軍服を着た大男が飛び出してきた。益々怖がる女性。

キルドルフ大尉が、女性をキルヒアイスに預け、大男と対峙する。しかし大男は戦術も何も無く只ひたすら殴りかかってくるだけである。素早い動きで大男の延髄を蹴り倒した。
キルドロフが安心した瞬間、気絶したはずの大男が立ち上がり又殴りかかってきた。

「大尉危ない!!」
キルヒアイスの言葉にキルドルフ大尉は直ぐさまバックステップで逃げざまに、大男を投げ飛ばし頸を絞めて気絶させることに成功した。直ぐさまプラスチック製使い捨て手錠で男の手足を縛り上げ、怯えて震える女性に、自らの軍服の上着を与えて話を聞き始めた。

話によると女性は、10kmほど離れた農家の娘で、サーシャと言い畑で作業中に軍人から道を聞かれ、案内させられている最中にいきなり襲われ、暴れるうちに車が畑に突っ込み。その直後に我々が反対側から通りかかったので助けを求めたと話してくれた。軍人は何処の誰だか知らないとのことであった。

話を聞いた、キルドルフ大尉はキルヒアイスに向かい話し始めた。
「准尉、此は由々しきことだぞ。誇り有る帝国軍人が婦女暴行とは情けない」

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