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北欧の鍛治術師 〜竜人の血〜
第二章 戦王の使者
戦王の使者T
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『昨日発見されたアルディギア王国の男性操縦者アインザック・スミス・フィリーリアス・カタヤさんは日本近海を浮かんでいるところを発見されたとの事です。発見当時昏睡状態に陥っており、海上保安庁のヘリコプターで救助された時は非常に危険な状態で・・・』
「あいつ見つかったんだな」
「昨日の夜も同じようなニュース流れてましたよ?見てなかったんですか?」
「昨日はシャワー浴びて寝ちまったんだよ」
「疲れが溜まってるんですか?確かに昨日は激戦でしたからね」
現在、雪菜宅。凪沙に叩き起こされた古城は手伝って欲しいことがあると言われ休日の朝から後輩の家に来ていた。その『手伝って欲しいこと』が何なのかというと、要はダンボールの片付けである。日用品を買い込んだ時、ホームセンターの従業員がその量を持って帰るのは大変だろうと気を利かせて店の裏手にあったダンボールをいくつかくれたのだ。それ以外にも洗剤などの箱や雪菜がここに引っ越して来るときに使ったダンボールが大量に余っており、それを廃棄するタイミングをこの忙しさで見失っていたのだ。そしてその量が尋常ではなく、重さはそんなに無いのだが体積が大きいせいで雪菜の体格では一度で運び出すのは無理があって古城に手伝ってもらっていたのだ。
「こっちは縛り終わったぞ」
「わかりました。じゃあ行きましょうか」
2人は部屋を出てエレベーターで一階に降り、エントランスを出て建物の側面を迂回して裏手のゴミ捨て場に向かう。家庭ゴミはともかく、資源ごみや粗大ゴミのような大きいゴミなどは裏に設置されているゴミ捨て場に捨てに行くのがこのマンションの規則だ。雑談しながら所定の場所にダンボールを捨て終えた2人がエントランスに戻ろうとしたそのとき、茂みから2つの影が躍り出た。2人の前に姿を現したのは金と銀の獅子。全体が鉄で出来ているようで、そのしなやかな体は陽光を受けて反射している。そのうちの片方が軽やかな動きで古城めがけて襲いかかってきた。
「うおっ??」
「下がって!」
第四真祖の動体視力と反射神経で後ろに転がって危なげに避けて尻餅をつく。雪菜が雪霞狼を展開して古城を守るように二匹の獣と古城の間に割って入り、威嚇する獅子に負けじと破魔の槍を突きつける。まさに金の獅子が飛びかかろうと構えたとき、急に金銀両方の獅子が苦しみ始めた。その体には左右どちらかの前脚から蛇が巻き付くように炎の紋様が頭にも胴体にも浮かび上がり、まるで蛇のように獅子の体を締め付けると、獅子は苦しむような声をあげてついに倒れ、実態を失って式符に戻った。雪菜が警戒しながら近づくとそこには獅子の姿を取っていた式神の式符が二枚と黒地に金の装飾が入ったいかにも高級そうな封筒が一通に全長十センチ前後の白いトカゲが二匹。そのうち一匹が口をあんぐりと広げてもう片方のトカゲを飲み込んだかと思うと、飲
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