暁 〜小説投稿サイト〜
ゼロから始まってしまった転生生活
第一話 ぷろろーぐ
[1/3]

[1] 最後 [2]次話
「ごめんね、間違えて殺しちゃった☆」

「……はっ?」

 目が覚めると、オレは真っ白な空間にいた。目の前には美青年。そしてその青年が口にする言葉。……うん、ヤバい。オレ誘拐されたっぽい。

「あはははは! 誘拐とは人聞き悪いね!」

「じゃあ何でこんなところにいるんだよ。オレ昨日はちゃんと一発ヌイてから寝た記憶が鮮明にあるぞ」

 ついでに昨日のおかずは『ピー』が『ピピピー』してるシーンだ。

「初対面の人に下ネタ言うなんて、中々すごいよ君! セクハラだね!」

「安心しろ。もうお前と会う機会はないと思うし、男に対してセクハラする気もない」

「あはははは! やっぱ君面白いよーって、そんな話してる暇なんてないんだよね」

 突然、美青年の顔が真面目になった。なんか訳ありっぽい。

「さっきも言ったけど、君死んだんだ」

「信用は一切してないけど、一応死因を聞いてみよう」

「蚊に刺されたショック死だよ」

「いやいや天地ひっくり返ってもありえねーだろ」

 なんだよ蚊に刺されてショック死って。もう少しマシな嘘つけや。

「じゃあ映像見てみる?」

「見せれるもんなら見せてみろ」

「わっかたよ。…はい(ぴっ)」

 青年がリモコンのボタンを押すと、空間に映像が流れ始めた。映像には月明かりに照らされた部屋が映っており、その部屋の主と思われる青年がベッドの上で寝ていた。
 それはまさしく『オレ』だった。

「oh…」

「拡大するよ」

 映像が拡大され、オレの顔がアップでうつされた。我ながら不細工な寝顔だと思った。それから数十秒後に、蚊がぷ〜んと不快な羽音をたてながらオレの頬にくっつき、そして細長い口もとい針を出してそれを頬に突き刺した。
 その瞬間――

『あばばばばばばっ! きゅ〜……』

 ものすごい勢いで手足を痙攣させたと思ったら、数秒後にはピクリとも動かなくなった。

「――どう? わかった?」

「……恥ずかしさで死にそうなんですけど」

「安心して! 君はもう死んでいるよ!」

 半信半疑だったけど、本当に死んだんだオレ。……しかもあんな弱小生物にショック死されるなんて、末代までの恥だわ。死んどいて安心したわ。

「そんな悲惨(笑)な死に方をした君に、特別に転生の権利を与えようと思うんだけど、いる?」

「欲しいに決まってるでしょうが」

 あんなバカみたいな理由で人生にピリオド打ってしまったんだ。次は『我が人生に一片の悔いなし!』とかもっとカッコいいこと言って死にたいわ。

「じゃあ契約成立だね! ついでに転生先なんだけど、魔法とか魔獣とかがいる世界なんだよねー」

「異世界ってことか?」

「ッ! 理解が早
[1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ